artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
冨倉崇嗣 展

会期:2009/07/27~2009/08/08
Oギャラリーeyes[大阪府]
すべてを見るということは、何も見ていないことと同じである。冨倉の絵画を見ているといつもそんな言葉が浮かんでくる。背景に遠のいていたモチーフに意識が集中していくとき、同時にそれにまつわるイメージや記憶も引き出されて連想がひろがっていく。空間や時間の距離感を楽しむように、図と地のあいだを行ったり来たりして遊ぶ感覚とそこで変化するイメージの振幅が面白い。展示のなかに《marimo》という作品があった。緑がかったたくさんの丸いマリモが水面に浮かんでいる。傾いた水平線と、すべてが浮遊するような不安定な印象が強烈に記憶に残った。
2009/08/07(金)(酒井千穂)
石上純也+杉本博司(ARCHITECT TOKYO 2009)

会期:2009/08/01~2009/08/29
ギャラリー小柳[東京都]
都内6軒の現代美術の画廊が同時期に開く建築展のひとつ。ここでは石上純也と杉本博司の出品。いよいよ画廊も建築に触手を伸ばし始めたか、というより、建築が画廊に侵出し始めたというべきか。杉本博司も建築に侵出しているし。
2009/08/07(金)(村田真)
菊池絵子 展

会期:2009/07/27~2009/08/08
OFFICE IIDA[東京都]
上記「新世代への視点」の藍画廊にも出ていた絵子ちゃんの個展。雪だるま、ボタン、時計などを紙に鉛筆で小さくポソッと描いている。印象は薄いけど捨てがたい作品。
2009/08/07(金)(村田真)
大和武司 展「連想ゲーム」

会期:2009/08/03~2009/08/08
ギャルリー東京ユマニテ[東京都]
寿司のシャリが魚の切身をのせたシャレコウベになっていたり、耳クソをのせた耳掻きがタンポポのように何本も夜空を飛んでいたり……。いちいち説明するのもアホらしいモチーフを、それなりに達者な描写力で描くギャップ。
2009/08/07(金)(村田真)
新世代への視点2009
会期:2009/07/27~2009/08/08
銀座・京橋ほかの画廊12軒[東京都]
10回目の今年、ギャラリー58とガルリソルが増えて参加画廊は12軒となった。が、11軒しか回らなかったのは、ギャラリー21+葉が自由が丘に移転して行けなかったから。絵画、彫刻、インスタレーション、ビデオといいぐあいに分かれたが、さまざまな野菜を組み合わせてひとつの漢字を描く古池潤也と、旅先で出会ったものを陶彫でつくる深井聡一郎が印象に残った。つーか、あとは印象が薄かった。
2009/08/07(金)(村田真)


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