artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

日本の美と出会う──琳派・若冲・数奇の心──

会期:2009/06/03~2009/06/15

日本橋高島屋8階ホール[東京都]

細見美術館が蒐集してきた日本美術の名品、およそ90点を一挙に公開する展覧会。琳派をはじめ、若冲、神坂雪佳、池大雅など人気作家の名品がずらりと並んでいた。

2009/06/8(月)(福住廉)

岡林真由子 展「玻璃の町」

会期:2009/06/30~2009/07/05

立体ギャラリー射手座[京都府]

人気のない町並みを描いた岡林の絵画作品。彼女は目にとまった幾つかの風景を切り取り、1枚のキャンバス上に貼り合わせた「どこでもない町」を描いている。この方法だと物語や象徴をいくらでも取り込めるが、そちらに転ばないのが岡林の良いところ。どこか不自然な状態で停止した世界が、永遠の刹那を保ったままキャンバスに定着されている。ちなみにタイトルの「玻璃の町」とは、萩原朔太郎の小説『猫町』に登場する幻覚の町のことだ。

2009/06/30(火)(小吹隆文)

名和晃平「L_B_S」

会期:2009/06/19~2009/09/23

メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]

鹿の標本を水疱瘡のように透明の球体でびっしりと覆ったり、仏像やベビーカーなどの表面にカビが生えたようにポリウレタン樹脂を吹きつけたり。これらは彫刻の表面性やテクスチュアなどの問題に対するひとつの解だろうか。不思議だったのは、水槽に粘性の強い乳白色の液体を入れ、下からグリッド状にボコボコと泡立てる作品。これはなんだろうと思ってふと目をあげると、この空間を特徴づけるガラスブロックの窓(というより壁)が目に入った。作者がどこまで計算したかは知らないけれど、このグリッド状のボコボコ泡の液体と、量塊感のある半透明のガラスブロックが奇妙な共鳴を起こしているのだ。

2009/06/30(火)(村田真)

青木野枝作品展「空の粒子」

会期:2009/06/09~2009/07/01

ツァイト・フォト・サロン[東京都]

中国あたりで撮ったらしいボケ写真を丸く切ってつなげたり、四角いまま並べたりした写真作品。というかコラージュ作品。というか、ひょっとして彫刻作品? みたいな、どうにも落としどころが見つからない座り心地の悪い作品ではある。それゆえクセになりそうな。

2009/06/30(火)(村田真)

松山賢「地図」

会期:2009/06/06~2009/07/18

ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート[東京都]

ますます悶絶技巧の冴える松山画伯だが、今回は女性の肌にレース模様が重なる艶かしい絵。思い出すのはギュスターヴ・モローの描くサロメ、なかでも《刺青のサロメ》と通称される絵だ。これはサロメの白い裸身がアラベスクでびっしりとおおわれ、題名のごとくそれが刺青にも見えるというもの。実際には衣装の模様なのだが、それを描きかけのまま残すことで異様な効果を生み出した。モローはルネサンス以来対立する線と色という絵画の二項対立を、1枚の絵のなかで融合させずにあえて分離することで、線描重視の古典主義にも色彩重視のロマン主義にも与しないみずからの立場を表明したのだ。してみると、松山画伯もついに古典主義ともロマン主義とも訣別するお覚悟を決められたのだろうか。19世紀かお前は。

2009/06/30(火)(村田真)