artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
瀬戸内国際芸術祭2013 アートと島を巡る瀬戸内海の四季
会期:2013/07/20~2013/09/01
瀬戸内海の12の島+高松・宇野[香川県、岡山県]
ちょうど瀬戸内国際芸術祭が開催されていることから、豊島に渡って、横尾忠則+永山祐子、石上純也などの建築系の作品をめぐる。ベネッセ系の作品は写真NGのようだ。唐櫃浜では、南相馬の仮設ログハウスと彦坂尚嘉による復活の塔、そしてあいちトリエンナーレ2013を紹介する唐櫃美術館に立寄る。次に小豆島では、ヤノベさんの二作品を見てから、若手の小山泰介、建築系のドット・アーキテクツ、島田陽、山崎亮らの作品を訪れた。このエリアはおなじみのメンバーではなく、新しい潮流を感じさせる。また越後妻有もそうだが、文化予算以外の公衆トイレなども作品にできるシステムはうらやましい。
写真上から、横尾忠則+永山祐子、山崎亮、唐櫃美術館、島田陽、彦坂尚嘉《復活の塔》
2013/08/19(月)(五十嵐太郎)
カタログ&ブックス│2013年8月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
質問する その1(2009-2013)
第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館(特別表彰 受賞)代表アーティスト田中功起が、気鋭のキュレーター、作家、批評家ら8名と交わした「つくること」「みること」「作品」をめぐる往復書簡 [アートイットサイトより]
楽園 / Heaven
2013年4月29日〜7月14日まで、The Containerにて開催された展覧会「楽園 / Heaven」展のカタログ。The Containerでの展示では、グラフィティ・アーティストZevs自身がデザインしニューヨークの街頭に貼り出した《Adam & Eve》(2013)という題の二枚組ポスターが展示された。
クリエイティブリユース──廃材と循環するモノ・コト・ヒト
廃材・廃棄物に新しい価値を発見すること。既に身の回りにあるモノに工夫を加えて活用すること。自らの手でモノをつくる喜びや楽しさ。クリエイティブリユースは、見捨てられているモノを観察し、想像力と創造力によって再び循環させることです。本書はクリエイティブリユースとは何かを伝え、世界中にあるさまざまな活動や事例を紹介します。
[広報資料より]
Kenzo Tange Architecture for the World
20世紀の建築界において、その才能・影響力の点において比類なき存在である丹下健三。広島平和記念資料館、東京計画1960、代々木体育館等、豊富な図面と写真で語られる。
2013/08/19(月)(artscape編集部)
あいちトリエンナーレ2013 パブリックプログラム「あいちトリエンナーレを支える名古屋のデザイン力」公開トークイベント
会期:2013/08/17
ナディアパーク・アトリウム[愛知県]
青森から名古屋へ。ナディアパークで開催された「あいちトリエンナーレを支える名古屋のデザイン力」に登壇する。今回のあいちトリエンナーレで力を入れたデザイン・アイデンティティの創出にどう取り組んだかがテーマだ。国際デザインセンターの江坂恵里子さんの司会で、五十嵐は今回の新機軸、公式デザイナーの廣村正彰さんは今回のロゴとデザイン規定、名古屋チームの平井秀和さんはそれに遊び心を加える試み、藤本康一さんはロゴの形から展開した方向性を語る。
2013/08/17(土)(五十嵐太郎)
新時代の「やきもの」への挑戦!
会期:2013/06/18~2013/09/23
滋賀県立陶芸の森陶芸館[滋賀県]
美術館と滞在型スタジオを兼ね備えたやきもの専門文化施設である滋賀県立陶芸の森。同所では1992年の開設以来、48カ国860人以上のアーティストが訪れたという。その取り組みの成果を、主に30~40代の作家を中心に振り返るのが本展だ。会場には54作家の作品が並び、4章に分けて展示されていた。ただし展示面積の半分以上は第1章「胎動と予感 気鋭の作家たち」であり、それが本展の羅列的性格を物語っていたように思う。海外作家を紹介する第2章はまだしも、現代美術作家の取り組みを取り上げた第3章、器作品を紹介する第4章は数的に物足りず、特に第3章で3作家しか取り上げられていないのは疑問である。ただ、やきものオブジェをこれだけ大量かつバリエーション豊かに見られる機会は少なく、その意味で本展は有意義だった。
2013/08/17(土)(小吹隆文)
あいちトリエンナーレ連携シンポジウム──テーマ「縄文・東北・環境汚染─3.11以降の美術」
会期:2013/08/16
三内丸山遺跡 竪穴式住居[青森県]
あいちトリエンナーレ連携シンポジウム「縄文・東北・環境汚染─3.11以後の美術」に登壇する。青森県立美術館の飯田高誉さん、いわき市立美術館館長の佐々木吉晴さん、司会の池田亨さんらと、震災後の美術状況をめぐって語る。会場が普通の部屋ではなく、三内丸山遺跡の竪穴式住居なのが、最大のインパクトだった。いわき市立美術館では、コレクションに被害が出たほか、放射線や余震を理由に、幾つかの展覧会がキャンセルとなり、代わって地元のアーティストによる展覧会の企画を立ち上げたという。青森県立美術館とあいちトリエンナーレは、奈良美智、杉戸洋、青木淳、藤村龍至、藤森照信など、双方に所縁のある作家がいることから、こうした連携プログラムが実現した。
2013/08/16(金)(五十嵐太郎)