artscapeレビュー
新時代の「やきもの」への挑戦!
2013年09月01日号
会期:2013/06/18~2013/09/23
滋賀県立陶芸の森陶芸館[滋賀県]
美術館と滞在型スタジオを兼ね備えたやきもの専門文化施設である滋賀県立陶芸の森。同所では1992年の開設以来、48カ国860人以上のアーティストが訪れたという。その取り組みの成果を、主に30~40代の作家を中心に振り返るのが本展だ。会場には54作家の作品が並び、4章に分けて展示されていた。ただし展示面積の半分以上は第1章「胎動と予感 気鋭の作家たち」であり、それが本展の羅列的性格を物語っていたように思う。海外作家を紹介する第2章はまだしも、現代美術作家の取り組みを取り上げた第3章、器作品を紹介する第4章は数的に物足りず、特に第3章で3作家しか取り上げられていないのは疑問である。ただ、やきものオブジェをこれだけ大量かつバリエーション豊かに見られる機会は少なく、その意味で本展は有意義だった。
2013/08/17(土)(小吹隆文)