artscapeレビュー
その他のジャンルに関するレビュー/プレビュー
トランスフォーマー博
会期:2014/08/09~2014/08/17
パシフィコ横浜 展示ホール[神奈川県]
パシフィコ横浜のトランスフォーマー博へ。さすがに博覧会というだけのヴォリューム感がある。子供が好きな乗り物/怪獣/恐竜の変形を玩具化し、ロボットとしたベタな企画から始まっただけに、30年間の商品を並べると、すごい量になっている。またシカゴ戦闘の廃墟を丁寧に再現した巨大なジオラマや、トランスフォーマーの立像への3Dプロジェクションマッピングが興味深い。
2014/08/15(金)(五十嵐太郎)
エヴァンゲリオン展
会期:2014/07/19~2014/09/07
そごう美術館[神奈川県]
5ヶ所目の巡回地となる横浜のそごう美術館にて、ようやくエヴァンゲリオン展を見ることができた。前半は新劇場版の第八使徒攻防戦のメイキング(今見ると、このシーンは津波の予言のようだ)、後半は基本設定から各エピソードまで、徹底的に生原画を紹介する。ある意味で展示デザインを破壊しかねない、圧倒的な数の手描きを並べることによって、創造の熱気を伝えていた。
2014/08/14(木)(五十嵐太郎)
開催50周年記念よみがえる東京オリンピック
会期:2014/07/19~2014/09/28
神奈川県立歴史博物館[神奈川県]
東京ばかりに目が向きがちだが、神奈川エリアでの聖火リレーのほか、江ノ島のヨットや相模湖のカヌー、横浜文化体育館のバレー、三ツ沢のサッカーなど、同県内の競技を軸に、当時の様子を振り返る。当時の動員と熱狂を振り返りながら、改めて国家的イベントなのだと実感する。
2014/08/14(木)(五十嵐太郎)
ミッション[宇宙×芸術]──コスモロジーを超えて
会期:2014/06/07~2014/08/31
東京都現代美術館[東京都]
タイトル通り、宇宙開発/観測とアートが交差する内容だ。先月、改めて水族館の集客力に考えさせられたように、宇宙そのものがもつ魅力の大きさを痛感する。作家の構想するイメージやフィクションよりも、科学的に観測/考察/挑戦する現実が、圧倒的に凄いというか。もっとも、その中でも、名和晃平の作品は健闘していた。
2014/08/13(水)(五十嵐太郎)
札幌国際芸術祭2014 1日目
会期:2014/07/19~2014/09/28
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)、北海道立近代美術館、札幌市資料館、札幌大通地下ギャラリー500m美術館[北海道]
まずは札幌駅からチ・カ・ホを散策する。他都市にはない幅の広い地下の歩行空間の両サイドの交互に作品が現れる。このエリアの作品は、流れを感じることをテーマとしたものだ。歩行者に反応しながら、機械仕掛けで大量のカラーペンを動かし、無数の線と豊穣な色彩を生む、菅野創の作品。またA.P.I. の北極、山川冬樹の川を題材とした作品が印象に残る。続いて、北海道立近代美術館へ。ここは新作なしだが、スボード・グブタやアンゼルム・キーファーなど、安定した旧作を用い、テーマに沿った渋くてカッコいい展示だった。青木淳も入り、全体的に空間の使い方もうまい。中谷宇吉郎は理研にいたことを知る。彼は美的感覚をもつ詩人のような科学者だったが、いまの理研は金をとってくる人が偉いのかと思うと隔世の感がある。
続いて、札幌市資料館へ。YCAM+五十嵐淳による巨大な遊具は子供でにぎわっていた。資料館の1階では、この建物のリノベーション・コンペの一次入選案を紹介している。2階に展示されていた深澤孝史はあいちトリエンナーレにおけるナデガタ・インスタント・パーティ的な作品だった。玄関では、都市空間のサウンド・コンペの音を流す。これは坂本龍一っぽいプロジェクトである。
大通公園の11丁目札幌ドイツ村でビールを楽しんだ後、地下空間の500m美術館に向かう。このエリアは時間をテーマとし、作家は札幌と所縁のある人を選んでいる。現実の映像が揺らぐ伊藤隆介、空間を効果的に使う今村育子、都現美にも出ていた宮永亮、模型に見えない坂東史樹、家型を積む武田浩志らの作品が興味深い。
夜は狸小路商店街7丁目界隈で飲食する。このあたりは古いアーケードが残ったおかげなのか、雰囲気のある小さなお店が集積し、異国のような不思議な場所になっていた。その後、すすきの祭りでにぎわう街を歩く。水商売を含む、近隣のお店による屋台が出店し、所狭しと並べられたテーブル、大勢の人が道路をうめつくす。北海道の短い夏を徹底的に楽しもうとする、すごい迫力だった。
2014/08/09(土)(五十嵐太郎)