artscapeレビュー
カタログ&ブックス | 2020年9月15日号[近刊編]
2020年09月15日号
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をartscape編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
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活動の奇跡 アーレント政治理論と哲学カフェ
アーレントが見出した「活動」の奇蹟と、哲学カフェ実践の軌跡。人生のさまざまな困難の当事者を含め、誰もが平等に声を発し、互いに耳を傾け、その人固有の存在として現われることのできる新しい政治的公共性の場所づくりが、いま求められている。哲学とその外を往還し、村上春樹と悪のモチーフ、建築や臨床の知の具体例から、「私たち」の感覚を取り戻し、思考なき全体主義を克服する道を探る好著。
A NEW RIVER
第44回木村伊兵衛写真賞を受賞した岩根愛の新刊。三春、北上、遠野、一関、八戸で撮影された桜のほか、各地の伝統芸能の写真で構成。
美術解剖学とは何か
「美術解剖学」という学問がある。古くはダ・ヴィンチが解剖のスケッチをしていたように、芸術家は人間を表現するために、人体の内部構造から多くのことを学んできた。しかし、この美術と医学のあいだにある学問について、現代的な知見に基づいてしっかりと解説した本はほとんどない。本書は、美術解剖学について、その内容から歴史までを概観した、人体を「見る目」を養う学問についての、これまでにない入門書だ。
笹久保伸写真集 Town C Difference and Repetition
秩父のアーティスト笹久保伸が、自身の生まれ育った秩父の町を撮影した写真集。(中略)3作目となるこの写真集では、彼の故郷である秩父のリアルな姿が映し出される。笹久保伸の目を通して見る郷里の風景には、外側からは見えない世界の細部が浮かび上がるだろう。
瀬戸内国際芸術祭2019
2010年に「海の復権」をテーマに掲げスタートした、瀬戸内国際芸術祭。4回目を迎えた2019年の芸術祭では、瀬戸内海の12の島々と2つの港を舞台に、春・夏・秋の3会期に分て計107日間開催された。世界32の国と地域から参加した230組のアーティストによる、瀬戸内海でしか生み出すことのできないアートやイベント、体験、食プロジェクトまでを完全収録した記録集。
押井守の映画50年50本
キューブリック、タランティーノ、デル・トロ…。押井守が、1968年から2017年まで、各年を代表する映画を1本ずつ選び、これまでの50年を振り返りつつ、未来の映画の可能性についても考察する。
政治の展覧会:世界大戦と前衛芸術 (政治の展覧会)
2つの世界大戦が生じた時期の政治と芸術について、マリネッティ、リシツキーなど4人の芸術家・批評家の大戦期の活動をケーススタディとして取り上げて考察する。ホッチキス止めされた1000ソヴィエトルーブル紙幣付き。
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https://honto.jp/
2020/09/14(月)(artscape編集部)