artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
ママ/Mama
[アメリカ]
機内にて、ギレルモ・デル・トロ制作の映画『ママ/Mama』を見る。山の中に置き去りにされた幼い姉妹が5年後、野生児になった状態で発見され、奇跡の生還をするものの、何かが憑いているという物語。彼らがサバイバルした状況を想像力豊かに示す、子どもの絵が映されるタイトルバックがいい。映像表現には、J.ホラーのテイストも感じられる。また姉妹の選択は、『おおかみこどもの雨と雪』のホラー版的な展開と言えるかもしれない。
2013/05/24(金)(五十嵐太郎)
アート・バーゼル香港 Art Basel Hong Kong
会期:2013/05/23~2013/05/26
香港コンベンション アンド エキシビション・センター(HKCEL)[中華人民共和国香港特別行政区]
アート・バーゼル香港へ。ビジネス・オブ・デザイン・ウィークと同じく、香港サイドの巨大なコンベンション・展示センターだが、日本のギャラリーもかなりの数出展している。全体の数や顔ぶれを見ると、東京のアートフェアよりも、全然規模がでかく、現代的かつ国際的な場だ。関連企画として海辺の先端のサロンにて、「Aichi Triennale: Awakening - Where Are We Standing?」のトークを行なう。筆者は震災体験からあいちトリエンナーレのコンセプトに至る流れ、共同キュレーターのルイス・ビッグスは名古屋と岡崎の都市について、また海外作家について語り、そして香港を拠点にする出品作家のケーシー・ウォンは自作とあいちでのプロジェクトを紹介する。
2013/05/23(木)(五十嵐太郎)
LOVE展:アートにみる愛のかたち─シャガールから草間彌生、初音ミクまで
会期:2013/04/26~2013/09/01
森美術館[東京都]
森美術館のLOVE展へ。ものすごく作品が多い。最初の部屋こそは、ジェフ・クーンズやロバート・インディアナを核にすえ、「LOVE」のメッセージが明快だが、近代美術から最後は初音ミクまであって、全体としてはテーマが散漫になり、広がり過ぎの印象を受けた。あいちトリエンナーレ2013に参加するアルフレッド・ジャーも、被災地のリサーチをもとにして、石巻の仮設住宅と南三陸の防災庁舎の写真による作品を出品している。
2013/05/19(日)(五十嵐太郎)
カリフォルニア・デザイン 1930-1965─モダン・リヴィングの起源─
会期:2013/03/20~2013/06/03
国立新美術館[東京都]
同じく国立新美の「カリフォルニア・デザイン 1930-1965─モダン・リヴィングの起源─」は、元気で幸福だったアメリカのミッドセンチュリーのデザインを紹介する。10年ほど前にブームが起きたイームズ夫妻はすでに有名だが、まだまだ知らない人がいっぱいいるものだ。建築、家具、写真、ファッション、工芸など、多分野を横断する楽しい展示である。ちらちら向こうが見える開放的な間仕切りは、中村竜治のデザインによるもの。
2013/05/19(日)(五十嵐太郎)
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展
会期:2013/04/24~2013/07/15
国立新美術館[東京都]
国立新美術館「フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣」展へ。五感をテーマとする、6連作のタピストリーをまるごと日本に持ってくるとは、驚くべき企画である。細い通路を経て、これらがぐるりと来場者を取り囲む部屋に導く、展示デザインも効果的かつ印象的だった。他の空間では、これを読み解くための関連資料などを紹介する。描かれた動物がキャラ化しやすいこともあり、関連グッズの多さも桁外れだった。
2013/05/19(日)(五十嵐太郎)