artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
SSD オープンレクチャー 相馬千秋「演劇はなぜ、都市に出るのか?─都市のドラマトゥルギーを引き出す、演劇的想像力の可能性」
会期:2013/05/16
東北大学片平キャンパス都市建築学専攻仮設校舎ギャラリートンチク[宮城県]
今期、せんだいスクール・オブ・デザインのメディア軸は、「演劇/ライブから考える」と題して雑誌制作を行なう。第一回のゲストの相馬千秋は、劇場を飛びだし、都市のドラマトゥルギーを引き出す事例を紹介した。池袋の芸術劇場の前で行なわれたフラッシュ・モブ、フェスティバル・トーキョーにおいて新橋と福島をつなぐ高山明の「光のないII」、移動するトラックが客席となって都市を体験する試みなど、演劇の可能性を開く挑戦だ。
2013/05/16(木)(五十嵐太郎)
NHKクローズアップ現代「1000年後の命を守るために~どう伝える 震災の教訓~」
NHKの番組「クローズアップ現代」の震災遺構を考える回に出演した。事前に僕の話は取材されているのだが、直前にスタッフと再度打ち合わせを行ない、その場で会話の構成を決めていく。個人的に、東日本大震災から3週間後の女川訪問は忘れ難い。いまは3つの被災建物以外ほとんど消えたが、当時はこれを見つけるのに、30分以上廃墟の街を歩かないとわからないほど、ぐちゃぐちゃの風景だった。が、これに遭遇したとき初めて震災遺構を残すべきであり、ここで見たことを後世に伝える使命を感じたことを思い出す。
2013/05/15(水)(五十嵐太郎)
国立近現代建築資料館開館記念特別企画展示 建築資料にみる東京オリンピック
会期:2013/05/08~2013/06/14
国立近現代建築資料館[東京都]
湯島の岩崎邸の隣に新しくオープンした国立近現代建築資料館を訪れる。こけら落としとして、丹下健三の国立代々木競技場とザハ・ハディドのコンペ勝利案を中心に、オリンピックと建築に関する展覧会を開催している。改めて、これが「国立」であること、また美術館とは違い、アートピース中心主義(見栄えのする模型やドローイング)ではなく、関連「資料」を幅広く収集するアーカイブ館であることの重要性がわかる。
2013/05/14(火)(五十嵐太郎)
船橋アパートメント
[千葉県]
船橋で西沢立衛が設計したアパートを見学する。浴室・トイレの部屋が比較的大きい、特殊なプランで知られる建築だ。現在、隣に現代的なデザインの病院がつくられ、側面は見づらくなったが、シンプルな直方体のヴォリュームながら、窓の配列を少し崩しながら並べる手法は、その後の大きな特徴となるポツ窓に確かにつながっている。
2013/05/13(月)(五十嵐太郎)
国立歴史民俗博物館
[千葉県]
佐倉の国立歴史民俗博物館を久しぶりに訪れたが、やはり時代性と作家性(芦原義信)を感じさせるデザインである。さすが国立だけに、ものすごいヴォリュームの展示だ。古建築の模型が多く、日本建築史の勉強にもなるはずだ。現代のパートでは、おせち料理、妖怪、気仙沼で被災した尾形家の建築など、盛りだくさん。戦後のパートにあったアメリカが撮影した占領下日本の「カラー」映像は、これまで白黒しか見たことがなかったので、新鮮だった。
2013/05/13(月)(五十嵐太郎)