artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
7人の建築学生展─卒業設計まで考えたこと─
会期:2013/03/22~2013/03/31
Herman Miller ergokiosk 3F Briefing Room[宮城県]
ハーマンミラーエルゴキオスク仙台店にて、「7人の建築学生展─卒業設計まで考えたこと─」を見る。東北大の学生によるもの。学校からのお金がなくても、自前で開催したことはよい試みだ。が、少なくともタイトルに記された肝心のはずの「卒業設計まで考えたこと」のキャプションが読みにくい。字は小さいし、パネルで隠れていたりが、残念である。いかに作品を見せるかという展示の方法にも、もっとこだわってほしい。
2013/03/28(木)(五十嵐太郎)
路上と観察をめぐる表現史──考現学以後
会期:2013/01/26~2013/04/07
広島市現代美術館[広島県]
広島現代美術館の「路上と観察をめぐる表現史」展は、今和次郎の考現学を起点とし、美術と建築を横断する興味深い試みだった。TAU、コンペイトウ、アーバン・フロッタージュ、トマソン、都築響一、メイド・イン・トーキョー、大竹伸郎など、フィールドワーク的なプロジェクトの現資料や、それに付随して制作されたアート作品が並び、見るものを楽しませる。特にメイド・イン・トーキョーが初めて発表された1996年の建築展に関わっていたこともあり、これが歴史化されていくプロセスはなかなか感慨深い。
2013/03/24(日)(五十嵐太郎)
studio velocity《都市にひらいていく家》
[愛知県]
名古屋にて、studio velocityの新作《都市に開いていく家》を見学した。家を前後の二棟に分けて、その間を3つの細いブリッジがつなぐ。かといって住吉の長屋のように閉じた顔ではなく、道路側は透明なガラスのボックスである。木々に囲まれた中庭で、空中のブリッジを歩く経験は格別なものだ。思い切った家である。
2013/03/24(日)(五十嵐太郎)
「オープン・アーキテクチャー」プレイベント
[愛知県]
あいちトリエンナーレ2013の企画発表の翌日、名古屋にてオープン・アーキテクチャーの予行演習となるプレイベントを行なう。最初に吉村昭範+吉村真基/D.I.G Architectsの自邸兼オフィスを訪問した。サイディングの反転、螺旋状のスキップフロア、チムニーとしての中心吹抜けなどが面白い。午後は1932年に竣工した名古屋陶磁会館である。ここの事務局と店子からの解説は、この建物がどう使われ、どう愛されているかがよくわかるものだった。締めくくりは、女性二人組による名古屋渋ビル研究会の発表である。ポストモダン以前の60、70年代の渋いビルを愛でるもの。角丸や連続窓、アゴ庇などの開口+タイル+昭和的フォントのサインなど、ファサードの特徴からキャラ化する。
写真:左上・右上=D.I.G architects《The Garden 覚王山》、左下=鷹栖一英《名古屋陶磁会館》、右下=名古屋渋ビル手帖
2013/03/23(土)(五十嵐太郎)
U30 Young Architect Japan 多様な光のあるガラス建築展
会期:2013/03/08~2013/05/31
京橋のAGCスタジオにて、「U30 YOUNG ARCHITECT JAPAN」展を見る。指名7組によるガラス建築の設計競技を経て、名古屋の若手建築家、米澤隆の最優秀案を原寸スケールで置く。透明ガラスの鱗の集合体のような小さなパヴィリオンは、パネルだと森の中のイメージだった。こうしたロマンティックな感覚は、彼の世代に共有されているように思う。
2013/03/21(木)(五十嵐太郎)