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建築に関するレビュー/プレビュー

国立近現代建築資料館開館記念特別企画展示 建築資料にみる東京オリンピック

会期:2013/05/08~2013/06/14

国立近現代建築資料館[東京都]

湯島の岩崎邸の隣に新しくオープンした国立近現代建築資料館を訪れる。こけら落としとして、丹下健三の国立代々木競技場とザハ・ハディドのコンペ勝利案を中心に、オリンピックと建築に関する展覧会を開催している。改めて、これが「国立」であること、また美術館とは違い、アートピース中心主義(見栄えのする模型やドローイング)ではなく、関連「資料」を幅広く収集するアーカイブ館であることの重要性がわかる。

2013/05/14(火)(五十嵐太郎)

船橋アパートメント

[千葉県]

船橋で西沢立衛が設計したアパートを見学する。浴室・トイレの部屋が比較的大きい、特殊なプランで知られる建築だ。現在、隣に現代的なデザインの病院がつくられ、側面は見づらくなったが、シンプルな直方体のヴォリュームながら、窓の配列を少し崩しながら並べる手法は、その後の大きな特徴となるポツ窓に確かにつながっている。

2013/05/13(月)(五十嵐太郎)

国立歴史民俗博物館

[千葉県]

佐倉の国立歴史民俗博物館を久しぶりに訪れたが、やはり時代性と作家性(芦原義信)を感じさせるデザインである。さすが国立だけに、ものすごいヴォリュームの展示だ。古建築の模型が多く、日本建築史の勉強にもなるはずだ。現代のパートでは、おせち料理、妖怪、気仙沼で被災した尾形家の建築など、盛りだくさん。戦後のパートにあったアメリカが撮影した占領下日本の「カラー」映像は、これまで白黒しか見たことがなかったので、新鮮だった。

2013/05/13(月)(五十嵐太郎)

DIC川村記念美術館

[千葉県]

DIC川村記念美術館へ。緑豊かな環境と、アメリカ現代美術を中心にした素晴らしいコレクションである。特にリフレクションしつつ、赤い光に包まれるバーネット・ニューマンの部屋と、マーク・ロスコにとり囲まれるシーグラム壁画は、空間と美術の対話が刺激的だ。これだけのすぐれたコレクションをもっているのだから、景気に左右されず、ずっと持ち続けて欲しい。が、いろいろやり過ぎた建築のデザインはちょっと残念。

2013/05/13(月)(五十嵐太郎)

JIA東北建築家フォーラム2013 基調講演「アートミーツアーキテクチャ」

会期:2013/05/10

せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア[宮城県]

せんだいメディアテークにて、高橋匡太の講演と彼を囲むシンポジウムを行なう。これまで丹下健三、菊竹清訓、安藤忠雄、高松伸らのすでに存在する建築に対し、光のアートワークを試みたが、最近は西沢立衛の十和田市現代美術館やアトリエ・ワンの建築における常設作品、平田晃久らのインスタレーションなど、これからつくるプロジェクトに関わり、まだ存在しない空間について、建築家と直接やりとりしながらのコラボレーションに移行している。やはり、実験の積み重ねと現場の試行錯誤が重要なようだ。また光が多すぎる場所では、減らすことも作品になるというのが印象的だった。あいちトリエンナーレ2013では、多くの人を巻き込みながら、都市空間を活用した作品を構想中とのこと。

2013/05/10(金)(五十嵐太郎)