artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
平子雄一──庭先目もリーズ 見えない森

会期:2012/03/01~2012/03/29
LIXILギャラリー[東京都]
黒地に鬱蒼とした森の風景を描いている。どの絵にも人物が出てくるが、どれも頭部が樹木になった植物人間だ。幻想的で物語性たっぷりだが、なにより美しい配色や、細かいながらもためらいのないタッチが快い。実際の木の切り株に土でできた植物人間をへばりつけた立体作品も展示。
2012/03/12(月)(村田真)
鉄川与助の教会建築──五島列島を訪ねて

会期:2012/03/08~2012/05/26
LIXILギャラリー[東京都]
長崎県には130ものキリスト教会があり、全国の1割以上を占めるという。うち五島列島を中心に20棟以上(県外を含めれば30棟を超す)の教会を建てたのが鉄川与助(1879-1976)だ。28歳で棟梁建築家として初めて教会を設計・施工したのを皮切りに、木造、レンガづくり、鉄筋コンクリートなど、さまざまなスタイルで増殖させていった。写真を見ると、なんでこんな場所に教会がとあきれるくらい田舎が多く、一軒家程度の小さなものが少なくないが、それだけに創意工夫を重ねて風土になじんだ教会を追求していったようだ。現存する教会は半数以下に減ったが、4棟が国の重要文化財に指定されている。これは知らなかった。ちょっと見てみたいけど、五島列島なんて行く機会ないだろうなあ。ちなみに本人は敬虔な仏教徒だったという。
2012/03/12(月)(村田真)
「東京国立博物館140周年記念グッズ」報道発表会
会期:2012/03/12
東京国立博物館[東京都]
東博が創立140年を記念してなにをやるかと思ったら、海洋堂と組んでフィギュア製作だと。フィギュアってひとことでいえばニセモノ。東博たるもの、なにが悲しうてニセモノづくりにはげむのか、なんてことはいわない。ぼくもフィギュア好きだもん。今回フィギュア化されるのは遮光器土偶、埴輪、銅鐸など6種の考古遺物。3月20日から館内に設置したカプセルマシンで1回400円で買える。記者会見では、東博の担当者が細かい点まで再現してもらうためしつこく注文をつけたというが、海洋堂にしてみればイヤなクライアントだったに違いない。これが「第1集」なので2集、3集と続いていくらしい。ぼくとしてはぜひ「踏絵」をフィギュア化してもらいたい。携帯踏絵、かわいくね? あ、プレスリリースを見たらフィギュアだけじゃなく、凸版印刷とコラボした「洛中洛外図屏風(舟木本)」の高品位複製(なんと300万円! ただし来年3月までは特別定価250万円、ってだれが買う!?)や、資生堂パーラーと製作した「見返り美人のチーズケーキ」も館内で発売するという。昔の東博だったら考えられないことだが、おそらく独立行政法人化以降のことだろう、いまや白昼堂々と民間企業と手を組むようになった。老いてますます盛ん、東博もさらに「でんぢゃらすじーさん」を目指してほしい。
URL=http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=5850#goods
2012/03/12(月)(村田真)
ようこそ! サン・チャイルド

会期:2012/03/11
阪急南茨木駅前(南側)[大阪府]
彫刻家のヤノベケンジが制作した全長6.2メートルの大作《サン・チャイルド》が大阪府茨木市の阪急南茨木駅前に恒久設置されることになり、その除幕式とイベントが行なわれた。《サン・チャイルド》は昨年10月に万博記念公園の《太陽の塔》の前で初お披露目され、東京の岡本太郎記念館でも展示されている。その姿はヤノベの代表作《アトムスーツ》を着た子どもで、ヘルメットを脱いで放射能が去った未来を見据えている。ポーズはミケランジェロの《ダビデ像》から引用しているが、これはダビデが巨大な敵ゴリアテを倒したエピソードに倣ったものだ。また設置場所の南茨木駅前はモノレールで万博記念公園と繋がっており、ヤノベの創作の原点である1970年大阪万博と《太陽の塔》にリンクしている。当日は、午前中に吹奏楽のファンファーレ~除幕式~市長挨拶といった式典が行なわれ、午後からはお笑い芸人で美術コレクターとしても知られるおかけんたの司会により多数のイベントが行なわれた。また、地元商店会の屋台が多数出店したこともあり、駅前ロータリーはラッシュアワー並みの大入り満員となった。地域の活性化にも貢献したことで、《サン・チャイルド》のお披露目は大成功だった。今後長きにわたって地元のシンボル的存在になるであろう。
2012/03/11(日)(小吹隆文)
パラモデル展

会期:2012/02/17~2012/03/11
国際交流基金ベトナム日本文化交流センター[ベトナム・ハノイ]
国際交流基金の建物では、ちょうどアーティストのパラモデルの展示を開催中だった。彼らが屋内だけではなく、外壁もいっぱいに使い、プラレールをつなぐ作品を展開したのは、初めてのようである。
2012/03/10(土)(五十嵐太郎)


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