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「東京国立博物館140周年記念グッズ」報道発表会

2012年04月15日号

会期:2012/03/12

東京国立博物館[東京都]

東博が創立140年を記念してなにをやるかと思ったら、海洋堂と組んでフィギュア製作だと。フィギュアってひとことでいえばニセモノ。東博たるもの、なにが悲しうてニセモノづくりにはげむのか、なんてことはいわない。ぼくもフィギュア好きだもん。今回フィギュア化されるのは遮光器土偶、埴輪、銅鐸など6種の考古遺物。3月20日から館内に設置したカプセルマシンで1回400円で買える。記者会見では、東博の担当者が細かい点まで再現してもらうためしつこく注文をつけたというが、海洋堂にしてみればイヤなクライアントだったに違いない。これが「第1集」なので2集、3集と続いていくらしい。ぼくとしてはぜひ「踏絵」をフィギュア化してもらいたい。携帯踏絵、かわいくね? あ、プレスリリースを見たらフィギュアだけじゃなく、凸版印刷とコラボした「洛中洛外図屏風(舟木本)」の高品位複製(なんと300万円! ただし来年3月までは特別定価250万円、ってだれが買う!?)や、資生堂パーラーと製作した「見返り美人のチーズケーキ」も館内で発売するという。昔の東博だったら考えられないことだが、おそらく独立行政法人化以降のことだろう、いまや白昼堂々と民間企業と手を組むようになった。老いてますます盛ん、東博もさらに「でんぢゃらすじーさん」を目指してほしい。
URL=http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=5850#goods

2012/03/12(月)(村田真)

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