artscapeレビュー
2023年07月15日号のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス | 2023年7月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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展示の美学
イタリアGoppion(ゴッピオン)社が手掛けた10ヵ国36都市60の博物館・美術館から、珠玉の展示写真260点余を収録。
百瀬文 口を寄せる
本書は百瀬文の初となる作品集。2013年のデビュー作《聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと》から、十和田市現代美術館での個展で発表した最新作まで、活動10年における代表作を収録するほか、各分野の専門家によるエッセイ、1万字を超える最新インタビュー等、様々な視点からその作品を考察します。
関連レビュー
国際芸術祭「あいち2022」 百瀬文《Jokanaan》、『クローラー』」|高嶋慈:artscapeレビュー(2022年11月01日号)
猫と巡る140年、そして現在 朝倉文夫 生誕一四〇周年記念
日本彫塑界を代表する存在で愛猫家としても知られた朝倉文夫による、猫たちを造形した作品群と生涯の代表作の数々を一堂にめぐる。
上路市剛作品集『受肉|INCARNATION』
徹底した再現力で独自のリアリズムの世界を切り開く彫刻家・上路市剛。 その初期作品から最新作までを一堂に収録した初の作品集。 コデックス装に透明のカバーを巻いた豪華な仕様で、 アートブックとしても楽しめる孤高の1冊。
建築とエネルギーの人類史
偉大な建築物とそれを生み出すのに使用されたエネルギーの歴史を辿る。持続可能な建築の未来への提言も。図版200点。隈研吾氏推薦
東京のワクワクする大学博物館めぐり
知らないと損! ほぼ無料! 江戸川乱歩邸のある大学(立教大学)から、 蒸気機関車がキャンパスを走る大学(日本工業大学)まで。 誰でも気軽に行けるのに、意外と知られていない大学のもつ博物館、美術館、水族館、資料館のガイドブック(東京と、神奈川・千葉の一部含む)。 学生じゃなくても散歩感覚で気軽に行ける博物館110件紹介。
私小説・夢百話
「私は安部公房の真似をして、夢の絵を走り書きするようになったのです。」画家が40年余りにわたって目覚めてすぐに夢の光景を求め、絵と文章で記録し続けた唯一無二の「夢画集」。子どものころの思い出から交流あった作家たち、そして現在……。月刊『図書』の表紙を飾った作品に、未発表の40編を追加。オールカラー。
文化メディアシオン 作品と公衆を仲介するもの
美術作品や文化遺産、演劇、音楽など、文化的なものと鑑賞者・参加者をつなぐ文化メディアシオン。その歴史から現状までを考察。
ケアの哲学
私たちは物理的身体だけではなく、データの集合としての自己を形成する象徴的身体を持っている。現代におけるケアを考えるとき、両方の身体を視野に入れる必要があるのではないか。人間が自らの生存に配慮するセルフケアを行うとき、国家による生政治としてのケアに抵抗する別の可能性が開かれる。美術批評の世界的第一人者グロイスが、これまでの仕事の延長上で新しいケア概念を提起し、プラトン、ソクラテスからヘーゲル、ニーチェ、バタイユ、ハイデガー、アレントなど数々の哲学を独自の視点からケアの哲学として読み替える。
菅木志雄 制作ノート 1967–2008
1960年代末から70年代に勃興し、日本に大きな芸術運動をもたらした「もの派」の中心的作家として、広く世界的に評価を集める菅木志雄。 主に石や木材、金属、ロープ、水などの日常的な素材を、並べる、組み合わせる、立てかけるといったシンプルな行為により生じる、ものともの、場所、人などの関係とその変化を表現しています。 菅の制作のかたわらには、常にアイデアの着想から作品の構想まで、書くことで自身の思考を整理し、展開してきた作家の根幹を成すノートがありました。 本書は1967年から2008年までの間に書かれた20冊のノートから、作家自ら選定したページを掲載。また一部抜粋されたテキストを活字化。 この世の理に、深く向き合い問い続ける作家の、制作の起点が刻まれた全704ページ。
ゼロからはじめる[近代建築]入門
ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。
女性画家たちと戦争
これまで語られなかった第二次大戦下の女性画家たちの活動。長谷川春子や女流画家奉公隊……。彼女たちは何を描いたのだろうか。
2023/07/14(金)(artscape編集部)