2018年07月15日号
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artscapeレビュー

佐々木真士展──大河のうた──

2016年03月01日号

会期:2016/01/26~2016/01/31

ギャラリー恵風[京都府]

大学卒業と同時にインドを旅し、同地の厳しい自然環境とそこで暮らす人々の悲喜こもごもに魅了された佐々木真士。以来、彼は約2年に一度のペースでインドに出かけ、同地を題材にした作品を描き続けている。現地では徹底的に写生にこだわり、幾日も同じ場所に座って描き続けるという。その姿に興味を抱き、声をかけ食事に誘う現地人もいるのだとか。写真を元に制作する作家が多くなった昨今、彼のスタイルはオールドファッションとも言える。実際、佐々木の作風は線描を基本とする正攻法の日本画だ。しかし、五感から得た感興を画面に描ききっているため、作品にはエキゾチシズムを超えた説得力がみなぎっている。これまでの作風は俯瞰の視点と色味を抑えた壮麗さが特徴だったが、新作では人物や群衆を近距離の視点で描き、鮮烈な色彩美を前面に押し出すようになった。この変化が今後どのように昇華されていくのか注目したい。

2016/01/26(火)(小吹隆文)

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