2018年10月15日号
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artscapeレビュー

静物学 小林且典展

2016年03月01日号

会期:2016/01/30~2016/02/28

ギャラリーあしやシューレ[兵庫県]

原型制作から鋳造までを自身で行なうブロンズ彫刻と、それらを卓上に配置して撮影した写真、木彫などの作品で知られる小林且典。本展でもそれらの作品が展示され、細部まで考え抜かれた配置で彼らしい美の世界を作り上げた。小林のブロンズ彫刻といえば、型から抜き出した状態そのままの生々しい姿が特徴。見る者はそこに侘びた味わいや無垢の精神性を見出す訳だが、近作の中には表面をツルツルに磨いた光り輝くものがあり、彼の制作が新たな段階に入ったことを窺わせた。また、同じモチーフを繰り返し使用し、そのバリエーションを写真に収める彼の手法は、イタリアの画家モランディにも通じる美意識が感じられる。それは小林がイタリアでブロンズ彫刻を学んだことと関係しているかもしれないし、こちらの勝手な妄想かもしれない。ただ、画廊オーナーも同じことを考えていたらしく、本展の会期を兵庫県立美術館の「モランディ展」に合わせていたのであった。

2016/02/07(日)(小吹隆文)

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