2018年04月15日号
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artscapeレビュー

竹岡雄二 台座から空間へ

2016年03月01日号

会期:2016/01/16~2016/03/21

国立国際美術館[大阪府]

京都に生まれて育ちドイツ留学を経て、デュッセルドルフとブレーメンを拠点に活躍する現代美術家、竹岡雄二の初回顧展。1980年代以降30年にわたる活動のなかから選定した20点の作品が展示されている。一見したところは60年代に登場したミニマル・アートだが、竹岡の作品は「台座彫刻」。つまり彫刻を置く台座自体がその作品の不在を包み込んで提示されるという、非常に思弁的な「作品」なのである。本来なら台座の上に置かれるべき彫刻がないから、見る人はその不在の空間をより強く意識することになる。作品の形式、色彩・材料・形態・大きさはさまざま、即物的な「もの」が存在感をもって提示される。作家は、私たちが見慣れた美術展示の場のあり方を問い、台座自体を彫刻作品として展示しているのだ。《クリーン・ルーム・ジャパン》と題された作品は、黒く塗装されたアルミニウムで縁取られた、210×286×286センチの巨大なガラスのケース。この作品の前に佇む人はなにを思うだろうか。[竹内有子]

2016/01/19(金)(SYNK)

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