2018年04月15日号
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artscapeレビュー

作家ドラフト2016 近藤愛助 BARBARA DARLINg

2016年03月01日号

会期:2016/02/02~2016/02/28

京都芸術センター[京都府]

若手アーティストの発掘・支援を目的に行なわれる京都芸術センターの公募企画展。今年は美術家の小沢剛が審査員を担当し、104件の応募の中から近藤愛助とバーバラ・ダーリンの展示プランが採用された。近藤は、移民としてサンフランシスコで暮らし、第2次大戦中に日系移民収容施設に入った経験を持つ曾祖父の人生を、遺品、写真、映像などでたどるインスタレーションを発表。国家や時代に翻弄される人間の姿を描きながら、現在ドイツに住む自身の姿とも重ね合わせていた。一方、ダーリンの作品は上映時間約10時間の長尺映像作品。東京から青森まで自動車で旅する男女の姿を、ほぼ後部座席からの車載カメラで捉えている。ほかに宿泊、食事、寄り道などの場面もあるが、「愛している」の一言以外2人の音声は消去され、外部の音も一部の場面以外は聞こえない(ちなみに筆者は2時間以上粘ったが、台詞を聞けなかった)。両者の作品に共通するのは、個人的な記憶がテーマになっていることであろうか。強度のある表現が個人の枠を突き破り、普遍性へと至る可能性を示すこと。小沢が2人を選んだ意図はそこにあったと思う。

2016/02/02(火)(小吹隆文)

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