artscapeレビュー
山添潤 彫刻展
2011年12月01日号
会期:2011/11/08~2011/11/20
ギャラリー揺[京都府]
石彫の新作・近作を出品。山添の特徴は、完成形を目指して造形するのではなく、素材との対話を通じて徐々に形が出来上がることだ。それゆえ作品には深い思念が感じられ、時間をかけて観賞するほど豊かな実りを得ることができる。そんな山添だが、新手法の模索も怠ってはいない。作品全面に黒のアクリル絵具を塗り、ワイヤブラシで削り取ることでメタリックな質感を得るなど、新作には幾つかの新しい試みが見られた。大転換はしないが、小さな進化を着実に重ねていく。それが山添流なのかもしれない。
2011/11/08(火)(小吹隆文)