artscapeレビュー
WITHOUT THOUGHT Vol.12「手を洗う|WASHING HANDS」
2012年07月01日号
会期:2012/05/24~2012/06/03
アクシスギャラリー シンポジア[東京都]
「WITHOUT THOUGHT」とは「思わず……」の意味。人々の無意識の行動をテーマとして、プロダクト・デザイナー深澤直人がディレクションするワークショップの作品展である。2000年から始まったワークショップの12回目のテーマは「手を洗う」。参加者はさまざまな企業で働く現役のデザイナーたちである。蛇口のハンドルの形をしたスチールソープ、せっけんのかたちをしたブラシやミラー、それらを文様化した手ぬぐいなど、手洗いに用いる道具をメタファーとしている作品もある。腕時計や指輪を外して脇に置く、ネクタイが濡れないように胸ポケットに押し込む等々、手や顔を洗うときに無意識のうちに行なっているしぐさを形や文様に落とし込んだデザインもある。かたち、色、柄、触感が人々に「手を洗う」ことを想起させ、その仕掛けに気づいたときに「思わず」微笑んでしまう。ものと人との自然な共生関係を示す優れた提案の数々であった。[新川徳彦]
2012/06/02(土)(SYNK)