artscapeレビュー
徳正寺《矩庵》
2017年11月01日号
[京都府]
京都の徳正寺を訪問した。住居部分の奥、庭の隅に持ち上げられた藤森照信の《矩庵》がある。もともと外の便所があったところで、阪神淡路の震災で壊れ、それを契機に藤森にとって初の独立茶室がつくられた。いまでこそ、彼は数多くの茶室を手がけているが、これ以前は《ニラハウス》の内部のロフトにある茶室しかなく、これが初めての独立した茶室建築となった。大きな開口や椅子の導入など、藤森茶室の原則が最初からもう採用されている。なお、施主は縄文建築集団のメンバーでもある。
2017/08/26(土)(五十嵐太郎)