2019年11月15日号
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artscapeレビュー

カタログ&ブックス│2019年10月

2019年10月15日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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公の時代

著者:卯城竜太(Chim↑Pom)、松田修
発行:朝日出版社
発行日:2019年9月26日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:四六判、322ページ

官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。

身体を引き受ける トランスジェンダーと物質性(マテリアリティ)のレトリック

著者:ゲイル・サラモン
翻訳:藤高和輝
装幀:近藤みどり
発行:以文社
発行日:2019年9月13日
定価:3,600円(税抜)
サイズ:四六判、376ページ

「LGB fake-T」として、不可視化されてきたトランスジェンダーの身体。本書は、現象学や精神分析をトランスジェンダー理論として読み直す。「身体自我」、「身体図式」などの概念を駆使して、トランスジェンダーの身体経験を理論的に考察。「身体とは単なる物質的なものではなく、身体イメージの媒介によってはじめて生きられる」というトランスジェンダーの身体経験の分析を通じて身体そのものを問い直し、「感じられた身体」と「物質的な身体」の不一致や心身二元論を乗り越える枠組みを提示する。トランスジェンダースタディーズの重要書。
ジュディス・バトラー絶賛!

アフター・カルチュラル・スタディーズ

著者:吉見俊哉
発行:青土社
発行日:2019年7月20日
定価:2,600円(税抜)
サイズ:四六判、352ページ

〈文化〉と〈政治〉をめぐる問いを深化させてきたカルチュラル・スタディーズの大いなる蓄積の後に、どのような批判的な知を構築し直せるのか? そして、新自由主義により社会が分断され、現実の基盤が崩壊するなかで、どのような知を追い求めればいいのか? 〈連帯〉へと向かう、挑戦の書。

空蓮房 仏教と写真

著者:谷口昌良、畠山直哉
デザイン:木村稔将
発行:赤々舎
発行日:2019年10月7日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:190mm×130mm、176ページ

2006年に、谷口昌良が寺院の一角に瞑想のための空間として構えた「空蓮房」。
そこで開かれた写真展示を振り返り、その活動と書かれた言葉に思いを巡らす。
谷口が仏教と写真術を同時に考えて語る理由や意義を、畠山直哉によって 「翻訳」し「解釈」したものでもある本文は、いま写真芸術に最も必要とされることは何なのか、
その深化した議論を喚起するための問いかけであり、「祈り」である。

光の子ども3

著者:小林エリカ
デザイン:五十嵐哲夫
発行:リトルモア
発行日:2019年9月
定価:1,800円(税抜)
サイズ:A5判、264ページ

第一部、完結。
戦争、科学、ファシズム、女たち、地震、デマ──
重層的なテーマを、和紙に描かれた漫画、テキスト、写真や図など膨大な資料のコラージュで表現。
〈放射能〉と、今日直面するエネルギー問題のつながりを読みとくアート・コミック。

写真の物語 イメージ・メイキングの400年史

著者:打林俊
発行:森話社
発行日:2019年7月24日
定価:3,200円(税抜)
サイズ:四六判変型、488ページ

写真の誕生から180年。いまではさまざまなイメージがメディアに溢れ、誰もがあたりまえに接している「写真」とは本来どのようなものなのだろうか。
写真発明の前史から現代までの400年の歴史を、発明競争、技法の開発、大衆の欲望、美術やメディアとの相互関係といった観点から豊富な作品例とともにたどり、交錯する歴史から、「モノ」としての写真とその発展をめぐる人々の物語を描き出す、気鋭の写真史家による新たな写真史。作品図版も多数掲載し、入門書としても最適。

ゲンロン10

編集長:東浩紀
著者:高橋源一郎、原武史、家入一真、桂大介、長谷敏司、三宅陽一郎、大森望、ドミニク・チェン、山本貴光、吉川浩満、高橋沙奈美、本田晃子、高山明、ユク・ホイ、イ・アレックス・テックァン、黒瀬陽平、速水健朗、海猫沢めろん、松山洋平、辻田真佐憲、東浩紀、上田洋子
発行:株式会社ゲンロン
発行日:2019年9月26日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:A5判、328ページ

ゲンロンの機関誌『ゲンロン』は、2019年の秋に第2期に入りました。
『ゲンロン』第1期は2015年冬刊行の『ゲンロン1』に始まり、2018年秋刊行の『ゲンロン9』で終了しました。『ゲンロン10』は、1年の準備期間を経ての、第2期再創刊号となります。第2期の『ゲンロン』は、半年から9ヶ月の期間をおいて、不定期に刊行される予定です。
第2期の編集長も、第1期に続いてゲンロン創業者の東浩紀が務めます。第1期の『ゲンロン』は、戦後日本の哲学と文芸批評の伝統をアップデートする試みとして、読書界で高い評価を得ました。第2期の『ゲンロン』は、そのレガシーを継承しつつも、より広い読者を対象とした新たな知的言説の創出に挑みます。

YCAM BOOK

編集:渡邉朋也(YCAM)
編集協力:青柳桃子(YCAM)、石井草実(YCAM)、岡崎里美(YCAM)、橋本奈々美(YCAM)、松冨淑香(マツトミ企画制作室)
アートディレクション:三迫太郎
デザイン:三迫太郎、福田奈実
表紙撮影:山中慎太郎(Qsyum!)
発行:山口情報芸術センター[YCAM]
発行日:2019年9月
定価:2,000円(税込)
サイズ:B5判、72+128ページ

YCAMの取り組みをご紹介する冊子「YCAM BOOK」が完成しました。この冊子は、YCAMの多岐に渡る活動をご紹介するとともに、YCAMがある山口県の観光地・宿泊・飲食店の情報をご案内するものです。
YCAMの概要や周辺の情報を紹介する「YCAM GUIDEBOOK 2019-2020」と、2018年度のYCAMの活動を振り返る「YCAM ANNUAL REPORT 2018-2019」の2冊で構成されており、両者合わせて200ページを超える大ボリュームです。購入はYCAM1階のチケットインフォメーションのほか、全国の書店などでも販売中です。お見かけの際はぜひご購入ください。

建築学生ワークショップ出雲2019 ドキュメントブック

制作・編集:特定非営利活動法人アートアンドアーキテクトフェスタ
アートディレクション:平沼佐知子(平沼孝啓建築研究所)
発行:特定非営利活動法人アートアンドアーキテクトフェスタ
発行日:2019年9月14日
定価:1,852円(税抜)
サイズ:A4判、126ページ

建築等の分野を専攻する大学生や院生を対象にした地域滞在型のワークショップ、「建築学生ワークショップ出雲2019」の作品や制作の様子などを豊富な写真で紹介する。実施制作に向けた経緯をまとめた冊子付き。





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2019/10/15(火)(artscape編集部)

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