2019年07月15日号
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artscapeレビュー

あいちトリエンナーレ2010(平田オリザ ロボット版『森の奥』、島袋道浩「漁村における現代美術」、山本高之「どんなじごくへいくのかな」ほか)

2010年09月01日号

会期:2010/08/21~2010/10/31

愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋橋会場[愛知県]

あいちトリエンナーレ2010の醍醐味は、歩いて30分くらいの範囲に展示が集中しているところ。昨年の越後妻有アートトリエンナーレとアイディアは似ているけれど、アクセスの簡便さでは明らかに勝っている。歩き回るのに都市がいいか田園がいいかといえば意見が分かれるだろうけれど。
まだ2/3ほどしか見ていない段階で恐縮だが感想を言うと、作家が自分の手で作品をつくるのではなく、誰かにやらせる作品が目立っていた。平田オリザはロボットに演劇をさせ、島袋道浩は漁師に魚をさばかせ、山本高之は子どもに地獄をつくらせ(「どんなじごくへいくのかな」)、動物園の動物の前でそれぞれの動物を主人公にした「一週間の歌」の替え歌を歌わせ踊らせた。こうした「やらせる」=タスク系の作品では、プレイヤーの性能が際立ってくる。それが見所になる。名古屋市美術館の島袋は、篠島の人々の生活に芸術のフレームを置いてその性能(の見事さ)を際立たせようとした。長者町会場の山本の場合は、地獄の立体造形や歌といった芸術的表現は手段であって、地獄の説明や歌っているときの挙動の一つひとつに表われる、子どもという存在の奥深さ、不可解さそれ自体が見所となっていた。


山本高之「どんなじごくへいくのかな」

2010/08/24(火)~25(水)(木村覚)

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