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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

IMA CONCEPT STORE

IMA CONCEPT STORE[東京都]

六本木AXISのIMAコンセプトストアにて、企画の打ち合わせを行なう。ARを活用し、デジタル・メディアと連動させることで、紙の書物に魅力を加える展示と、カラフルな水谷吉法写真展「Colors / Tokyo Parrots」を開催していた。ここのギャラリーを設計したのは、名和晃平のSANDWICHである。ヒンジで大きく可動壁が回転するのが、特徴だ。

2015/02/14(土)(五十嵐太郎)

神々のたそがれ

アレクセイ・ゲルマン監督の遺作『神々のたそがれ』を見る。ある惑星が舞台というSF的な設定だが、まったく未来的ではなく、暮らしぶりやその背景となる建築は、まるで西欧の中世だ。しかも全編にわたって、ただならぬ悪臭が漂い、細部の描写に至るまで驚くべき実在感がある。絶えず、視界をさえぎる障害物があるという独特の映像だ。地球人は、この惑星の人々から神と崇められるのだが、ただただ、世界の退行を傍観するしかない。しかし、ここで起きている反知性主義の動向は、遠い世界の出来事だと思えない。

2015/02/12(木)(五十嵐太郎)

奈良原一高 王国

会期:2014/11/18~2015/03/01

東京国立近代美術館 ギャラリー4[東京都]

メインのセレクションは、2014年の横浜トリエンナーレとかぶるが、常設の強みで他のエリアも活用しながら、デビュー作の「人間の土地」(軍艦島や、桜島の噴火で埋もれた集落を撮影したもの)、マンハッタンの十字路シリーズ、彼と親交のあった作家などもあわせて紹介し、立体的に鑑賞できるのが嬉しい。常設では、藤田嗣治の戦争画を展示中だった。ある意味で彼のピークと思う。

2015/01/31(土)(五十嵐太郎)

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高松次郎ミステリーズ

会期:2014/12/02~2015/03/01

東京国立近代美術館 企画展ギャラリー[東京都]

体験、実感できる楽しい影ラボを導入としながら、彼の作品を回顧する試みだ。一連の流れを見ると、あまり深く関係を考えていなかった、影の作品と透視図法の作品のつながりがよくわかる。その後、高松はモノの関係性の時期を経て、晩年は絵画にシフトする。彼の絵を建築の図面として見ると興味深い。段差をのぼって、会場を一望できる展示のデザインは、トラフが担当しており、これも良い。


影ラボ風景

2015/01/31(土)(五十嵐太郎)

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TANGE BY TANGE 1949-1959 / 丹下健三が見た丹下健三

会期:2015/01/23~2015/03/28

TOTO ギャラリー・間[東京都]

彼が自ら撮影した写真展なので、伸ばした写真の展示と思いきや、コンタクトシートを台の上に並べるという展示の手法だった。丹下がトリミングの赤を入れる前と、切り取った画像を左右で比較できる映像が良かった。自邸はなんとヘリコプターから撮影している。ともあれ、丹下は、実現した建築を再度、写真を通じて自分の手にとりかえすかのように撮影していたのではないか。

2015/01/30(金)(五十嵐太郎)

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