artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
建築のこころ ─アーカイブにみる菊竹清訓展─
会期:2014/10/29~2015/02/01
国立近現代建築資料館[東京都]
国立近現代史資料館の「建築のこころ アーカイブにみる菊竹清訓展」を見る。模型、図面、スケッチなど、想像以上に作品の点数が多いが、実はこれでも一部しか使っていないヴォリューム感だった。デジタル化された資料を閲覧できるのも良い。裏面も使っている学生時代のスケッチ、ドローイング、1950年代のブリジストンの仕事、京都会館のコンペ企画書など、見所が多い。これなら美術館で開催しても全然おかしくない内容である。
2015/01/30(金)(五十嵐太郎)
福島の復興に向けた勉強会「福島・原発避難・復興・モラルを考える」、木造 復興住宅 小規模コミュニティ 郡山プロジェクト
会期:2015/01/25
郡山プロジェクト[福島県]
芳賀沼さんの案内で、福島の被災地をまわる。以前、南からは富岡、北からは小高まで訪れたが、今回は許可が必要な双葉や浪江のエリアに入ることができた。人がいなくなった街は、前回も見たが、ここでは震災による被害がもう少し大きい。やはり、風景が激変した宮城県や岩手県の被災地とは違い、手つかずで、そのまま時間が止まったままである。3.11の記憶が残る場所としてだけでなく、古い建築ゆえに、昭和の香りが感じられる場所としての意味も獲得している。遠くからだが、初めて肉眼でフクイチを見ることもできた。その後、南相馬の塔と壁画のある仮設住宅地の自治会長だった方の家に訪問する。来年の完全帰宅可能をにらんでの自宅の改築計画は、次の建築の一手として重要なものになりそう。最後は、はりゅうウッドスタジオが、難波和彦やスタジオナスカ他の建築家とコラボレーションした郡山プロジェクトの現場に移動し、一緒に見学した青井さん、浅子さん、中川さんらと、福島をめぐるトークを行なう。
2015/01/25(日)(五十嵐太郎)
ホビット 決戦のゆくえ
映画『ホビット 決戦のゆくえ』(監督:ピーター・ジャクソン、原作:J・R・R・トールキン「ホビットの冒険」)を見る。140分のほとんどが戦闘シーンで、息もつかせないのだが、CGならなんでもできるよな、と思いながらの鑑賞だと、この手のジャンルに必要なセンス・オブ・ワンダーがかなり削がれてしまう。冒頭のドラゴンが湖の町を焼きつくすシーンは、爆撃機の空襲を想起させる。
2015/01/24(土)(五十嵐太郎)
ASU~不可視への献身
会期:2015/01/24~2015/01/25
KATT 神奈川芸術劇場ホール[新潟県、神奈川県]
KAATにて、金森穣/Noism1の公演を見る。第一部は白い空間で、スティーブ・ライヒと池田亮司の現代音楽にあわせてメカニカルに踊る。一方、第二部の『ASU』は黒い空間で、ちょっと聴いたことがないような音楽で、インパクトのある喉歌が流れる。原始的な世界を思わせる舞踏だが、バレエ・メソッドをベースにしており、変にどろどろした感じはない。素早く、細かい動きや編成は日本人の身体向きと思う。
2015/01/24(土)(五十嵐太郎)
鉄腕アトム「地上最大のロボット」より 「プルートゥ PLUTO」
会期:2015/01/09~2015/02/01
Bunkamuraシアターコクーン[東京都]
シアターコクーンにて、「プルートゥ」を観劇する。漫画のコマ型に着想を得た額縁型のフレームや、7つの台形ピースを組み合わせるトランスフォーマー的な装置が、十数以上のバリエーションで変化しつつ、そこにプロジェクションマッピングが絡む舞台美術が面白い。が、俳優としては、これだけ装置がきわだつと、やりにくいかもしれない。もっとも、「プルートゥ」はロボット役なので、あまり露骨に感情の描写をする必要がない設定なので、よいかもしれないが。脚本は、原作の流れを圧縮処理するのが大変そうだった。
2015/01/24(土)(五十嵐太郎)