2017年10月15日号
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artscapeレビュー

プレビュー:DANCE BOX ARCHIVE PROJECT vol.1 1995年のGUYS

2017年01月15日号

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会期:2017/02/11~2017/03/05

アートエリアB1[大阪府]

関西ダンスシーンの中核を担ってきたNPO法人DANCE BOXは、20周年記念を機に、これまでの膨大で貴重なダンス関連資料を整理するとともに、舞台芸術関係者のみならず、さまざまな立場の人が活用できる仕組みの構築を目指して、「アーカイブ・プロジェクト」を立ち上げている。2016年10月には、「アーカイブ・プロジェクト vol.0」をアートエリアB1で開催。2014年のKOBE-Asia Contemporary Dance Festival #3で上演された、松本雄吉×垣尾優×ジュン・グエン=ハツシバによる『nước biển/ sea water』のアーカイブ展示を行なった。作品映像に加え、衣装、舞台美術、朗読テクスト、ミーティングの音声データなど、複合的な要素を展示空間に再配置し、モノと情報、記憶が交差する場をつくることを試みた。
「アーカイブ・プロジェクト」の本格的な始動となる今回の「vol.1」は、「1995年のGUYS~ダンスボックス設立前夜、関西のコンテンポラリーダンス激動の時代~」と銘打たれている。DANCE BOX設立のきっかけともなった、1995年に伊丹市のアイホールで行われた公演『GUYS』を基軸に展開する。冬樹、ヤザキタケシ、サイトウマコト、由良部正美ら、今も活躍するダンサーをはじめ、関西の男性ダンサー陣が一堂に出演した『GUYS』にまつわるさまざまな資料を振り返り、当時のアーティストが何を志向していたのか、そして彼らが現在に何をもたらしたのかを検証するとともに、関西ダンスシーンのこれからを考えるための場づくりを試みるという。本プロジェクトは、関西ダンスシーンの歴史的検証の場となるとともに、舞台芸術の記録・アーカイブのあり方をめぐって考える機会となるだろう。
また、90年代半ばの関西(とりわけ京都)では、アーティストたちが緩やかに連帯しながら、自分たちの手で環境作りを行なっていったことがひとつの動向として挙げられる。例えば、ダムタイプ周辺のアーティストたちが1992年に立ち上げた自主運営のアートセンター「アートスケープ」や、京都を拠点に活動するコンテンポラリー・ダンスカンパニーMonochrome Circusのメンバーが中心となって1995年に始めた国際ダンスワークショップフェスティバル「京都の暑い夏」がある。DANCE BOXの設立も、単にダンス分野の一団体の設立であることを超えて、そうした同時代的な動向の中で再考されるべきだろう。

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2016/12/21(水)(高嶋慈)

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