artscapeレビュー

「台湾集合住宅的未来予想図」展 関連イベント

2011年05月15日号

会期:2011/04/09

府都(建設会社)[台湾・台南市]

謝宗哲が企画した12組の若手建築家による「台湾集合住宅的未来予想図」展の関連イベントに招かれ、レクチャーを行なう。五十嵐は「漫談日本集合住宅状況」と題して、nLDKなど基本的な住宅事情を説明しつつ、90年代以降の重要な作品をレビューし、南泰裕は日本の若手建築家と自作を紹介した。台湾において90年代はアメリカのポストモダンの影響が強かったが、ゼロ年代以降、日本の現代建築への関心が高まり、会場は満員だった。府都の建設会社のビルの1、2階を用いたギャラリーは、なかなか日本にもない恵まれた展示空間である。そこに主に独立前の30代の建築家が集結し、実際にプロジェクトが予定された2つの敷地に対して、ユニークな集合住宅を提案した。次世代のムーブメントの熱さを感じさせる。謝は、村上春樹の『1Q84』に触発され、ビッグブラザー(おそらく、李祖原?)に代わる、リトル・ピープル・アーキテクツを結成しており、王 、方 、林建華を含む6組のメンバーがそれぞれに別の建築家を推薦し、今回、12組が出そろった。

2011/04/09(土)(五十嵐太郎)

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