artscapeレビュー

Emerging Project 2011展

2011年05月15日号

会期:2011/04/01~2011/04/28

新建築社1階、吉岡ライブラリー[東京都]

新建築社の吉岡ライブラリーは、平田晃久のデザインによる本の展示空間である。ひだ状のパーティションにより表面積を増やし、ほとんどの雑誌が表紙を見えるようにレイアウトしている。ヴィジュアルが重要な建築雑誌ならではの視覚を楽しめる空間だ。そのオープンを記念する「Emerging Project 2011」展では、乾久美子、長坂常ほか、若手建築家22組の模型が、書架空間のあいだのあちこちに設置された。シンプルな模型展がより魅力的に見えるギャラリーである。4月7日の出展者による座談会では、全員で東日本大震災について討議していたが、それだけに、22組のなかに東北や名古屋の建築家がひとりもいないことが気になった。ほぼ東京であり、西日本(アルファヴィル、土井一秀、井手健一郎)と北海道(五十嵐淳)が少しだけである。JIA東北住宅大賞の審査で毎年まわってると、東北にもけっこうがんばっている良い若手建築家はいるのだが、残念だ。

2011/04/22(金)(五十嵐太郎)

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