artscapeレビュー
続 木内貴志とその時代~さようならキウチさん~/続続 木内貴志とその時代~帰ってきたキウチさん~
2014年05月01日号
続 木内貴志とその時代~さようならキウチさん~(2014/03/21~2014/04/06、Gallery PARC[京都府])
続続 木内貴志とその時代~帰ってきたキウチさん~(2014/03/24~2014/04/12、GALLERY wks.[大阪府])
美術家の木内貴志が、京都と大阪で同時に個展を開催した。木内は美術史や自分自身のプライベートを素材に、ベタな笑いと自虐精神に満ちた、批評的かつコンセプチュアルな作品で知られている。今回のダブル個展では、京都と大阪で内容が対照的だった。京都は新作中心で、作品を整然と並べるオーソドックスな展示であったのに対し、大阪は過去作品中心で、会場に作品が散乱していたのだ(画像)。この二重人格的な構成により、観客は木内の多面性と一貫性を知ったであろう。同時に、木内貴志というシャイで実直なアーティストが放つ美術への愛の深さにも気づいたのではないか。
2014/03/24(月)・2014/03/25(火)(小吹隆文)