artscapeレビュー
How is this connected to that?/山本雄教 展
2014年05月01日号
会期:2014/03/21~2014/03/31
つくるビル[京都府]
若手画家の山本雄教が、アトリエを構えるビル全体を使って大規模な個展を開催した。会場は1階から4階まであり、1階の空き部屋以外は廊下での展示である。作品は、米粒をモチーフにしたシリーズ、ブルーシートに描いた富士山、1円玉をフロッタージュして描いた肖像画、点字ブロックなどの同一モチーフを集積して風景を表現したシリーズなど。各作品には詳細なキャプションが添付され、作品の意図や関係性が詳しく説明されている。つまり、山本のこれまでの歩みを一望するプチ回顧展なのだ。彼が本展に込めた意図は何か。一見無秩序に見える作品の関係を明らかにし、作家像を明確にしようと思ったのであろう。細部まで心配りされた質の高い展覧会であり、同年代の若手にも示唆に富む機会であった。
2014/03/25(火)(小吹隆文)