artscapeレビュー

瀧弘子 展「後ろ髪引かれる」

2014年05月01日号

会期:2014/04/05~2014/04/26

YOD Gallery[大阪府]

写真、映像、パフォーマンス(一種の人間彫刻)など、身体を張った作品で一躍注目作家となった瀧弘子。自身の内面的葛藤と身体性が共存した作品は、強烈なインパクトを持つ反面、いつまでネタが続くのかと危惧を抱かせる面もあった。しかし、本展を見て考えを改めた。彼女は予想以上に多くの引き出しを持つ作家だった。本展では、伸縮性のある布地に自身の顔を印刷し、クリップ付きのゴムで布地(顔)の一部を引っ張った作品と、自身の顔をプリントした折り紙でさまざまな髪形を造形した作品、髪をテーマにした写真作品などを展覧。また初日と最終日には、三つ編みの髪を壁面に固定して約7時間も椅子に座り続けるパフォーマンスが行なわれた。そのどれもが秀逸だったが、特に折り紙作品は作家の豊かな創造力を証明していたと言えよう。彼女の今後の展開に一層興味が湧いてきた。

2014/04/05(土)(小吹隆文)

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