artscapeレビュー
「江戸の異国万華鏡─更紗・びいどろ・阿蘭陀」展
2014年07月01日号
会期:2014/03/15~2014/06/08
MIHO MUSEUM[滋賀県]
江戸時代、オランダの東インド会社を通じてもたらされた舶来品「インド更紗・更紗・びいどろ・阿蘭陀(デルフト焼等の陶器)」が、いかに日本で受容されたかについて紹介する展覧会。170点余りの資料が展示され、見応え十分。インドの更紗で仕立てられた小袖、羽織、茶道具の袋物に加え、西欧の陶器・ガラスと、それらに影響を受けてつくられた日本の阿蘭陀写し(尾形乾山)・和ガラスをも見ることができる。なかでもひときわ目を惹いたのが、《杜若文様更紗縫合小袖》。日本の伝統的な意匠「杜若」と、20数種にも及ぶインド更紗が縫い合わされた大胆なデザインには、息をのむ。通覧して、江戸の粋の新たな面を発見した思いがする。ちなみに同館の建築を手掛けたのは、I・M・ペイ。本館正面の窓から山向こうに見えるのは、ミノル・ヤマサキによる礼拝堂。建築に興味のある方にも、ぜひ訪れてほしい。[竹内有子]
2014/06/07(土)(SYNK)
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