artscapeレビュー
《鎌倉歴史文化交流館》
2017年07月15日号
[神奈川県]
地下に25mプールもあるノーマン・フォスター設計の超豪邸を改修したものである。外観はガレージ(!)をエントランスに改造する際、大きな開口を設けた以外、ほとんど変わっていないが、ミュージアムにするために、室内はバリアフリーや空調設備を新しく導入している。一方で平行壁によるフォスターらしい明快な空間の構成は踏襲し、もともとコレクションの展示を行なう別館はそのままだ。フォスターは素材の実験を行ないながら、日本的な陰翳礼讃のイメージにも挑戦している。また、彼の事務所が意匠設計した和風オブジェが挿入されているのは興味深い。
2017/06/17(土)(五十嵐太郎)