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artscapeレビュー

シンガポール美術館、別館 SAM at 8Qほか

2017年07月15日号

[シンガポール]

新築ばかりではなく、古い建物を文化施設に変える動きも注目される。例えば、モダニズムをリノベーションしたナショナル・デザイン・センターは、建国50周年を契機に建築を含むデザインの50年史を展示しており、こうした施設は日本でも欲しいところ(日本はいまだ国立デザインミュージアムがない)。シンガポール・アート・ミュージアムも19世紀のカトリック学校をリノベーションしたもの。別館のSAM at 8Qも転用した建築であり、「imaginarium」展を開催し、爆弾をプランターに変えたBounpaul Phothyzan、Unchalee Anantawatの宙に浮く山など、学校の休み期間らしく子ども向けの現代アートを紹介していた。そして国立博物館は19世紀の古典主義である。背後に増築し、ガラスの空間でつなぐ。日本が支配していた「昭南島」時代や戦後の計画国家など、シンガポールの歴史とライフスタイルの変化をたどる。ここにはチームラボによる映像空間の展示があるのだが、ナショナルギャラリーやフューチャーワールドも手がけており、彼らはシンガポールで大人気らしい。

写真:左上から=ナショナル・デザイン・センター、デザインの50年史展、シンガポール・アート・ミュージアム、SAM at 8Q 右上から=PHOTHYZAN、「昭南島」時代の展示、国立博物館

2017/06/11(日)(五十嵐太郎)

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