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グラフィックデザイナー、福田繁雄氏、逝去(享年76歳)

2009年02月01日号

1932年生まれの戦後日本を代表するグラフィックデザイナーのひとり、福田繁雄氏が、去る1月11日に他界した。享年76歳。戦後日本のグラフィックデザイン界を牽引したデザイナーが多数参加した伝説的なグラフィックデザイン展「ペルソナ展」に参加し、毎日産業デザイン賞を受賞。1967年には70年の大阪万博の公式ポスターを制作。70年代から90年代にかけて、つねに第一線で活躍してきた。

 また、グラフィックのみでなくパブリックアートの立体造型作品も手がけた。1960年に東京で開催された世界デザイン会議で、イタリアのアーティスト、ブルーノ・ムナーリと出会い大きな影響を受けた。福田のグラフィックに見られるだまし絵的な効果などユーモア感覚溢れる造型は、ムナーリ作品にしばしば見られる遊び心に通じている。2000年から、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の会長を務めてきた。ご冥福をお祈りしたい。

画像:最後の出版となった『福田繁雄DESIGN才遊記』(ggg Books別冊6、DNP文化振興財団、2008)[筆者撮影]

 

 

2009/01/20

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