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プレビュー:平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学)『森の奥』/東京デスロック『2001-2010年宇宙の旅』

2010年08月01日号

平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学)の『森の奥』がおすすめです。類人猿ボノボを人間化しようとする人間とロボットのお話。演劇は人間が演じなくても可能か?という問いに対する平田のひとつの解答が示されるはず。必見です。ただし、これはあいちトリエンナーレ2010の関連公演なので、名古屋に行かないと見られません。
もうひとつのおすすめは東京デスロックの『2001-2010年宇宙の旅』。音楽に大谷能生を迎え、即興という点で音楽と演劇は重なるところが多いのではないか、という問いが本作の発端だそう。どんどんクロスジャンル化していく今日の舞台芸術において、そうした姿勢が表明されているということは、期待したくなるというものです。しかし、これも会場は富士見市文化会館キラリ☆ふじみなので、都心からは離れています。いっそ8月は旅心とともに観劇してみてはいかがでしょう。

2010/07/31(土)(木村覚)

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