2019年08月01日号
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artscapeレビュー

森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史

2010年08月01日号

会期:2010/07/17~2010/09/05

高松市美術館[香川県]

「瀬戸内国際芸術祭2010」で盛り上がる高松で、もうひとつ見逃せないのがこちら。本展は、名画や歴史上の人物に扮した作品で知られる森村泰昌のルーツに迫れる展覧会だ。彼が学生時代から無名時代にかけて描いた、美術史上の巨匠や先達のスタイルを真似して描いた作品を、その元ネタと並べて展示している。ギター少年は練習のために好きな曲をコピーするが、美術家でも同じようなことをする人がいたとは驚きだ。しかも凄いのはその量とジャンルの幅広さ。洋の東西を問わず、20世紀美術をむさぼるように真似て創作の血肉としていたのだ。美術家・森村泰昌の基盤にこうした無数の真似び(=学び)があること、そして美術への深い愛があることを初めて知った。本展を見ると、彼が現在の作風に至った必然性がよくわかる。そして展覧会のクライマックスは、田中敦子の《電気服》と、森村の《光と熱を描く人/田中敦子と金山明のために》の共演だ。ともに大阪の鶴橋を拠点に活動し、個人的にも交流があった両人。尊敬する先輩にオマージュを捧げたその空間は、本当に感動的だった。

2010/07/20(火)(小吹隆文)

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