2018年01月15日号
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artscapeレビュー

昼馬和代展

2016年10月01日号

会期:2016/09/06~2016/09/18

LADS GALLERY[大阪府]

極薄の粘土板を数十あるいは百以上も重ねたミルクレープ状の構造を持つ昼馬和代の陶オブジェ。《記憶する大地》や《記憶》と題した作品はまるで地層の断面のようであり、《青い記憶》と《甦る─大地》は断崖絶壁の頂上に水源をたたえた姿が印象的だ。つまり彼女は、幻想的な風景によって悠久の時の流れを表現しているのであろう。作品を見た当初は特徴的な層構造の制作法が分からず、表面を削って層に見せているのではないかと疑った。しかし、そのようなやり方ではリアリティーが出ず、薄い粘土板を愚直に積み重ねることでしか、重厚な存在感を表現できないそうだ。昼馬は1947年生まれのベテランだが、団体展や地元(堺市)での活動が多く、筆者は本展まで彼女の存在を知らなかった。陶芸界は広くて深い。私はまだまだ勉強不足だ。

2016/09/08(木)(小吹隆文)

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