artscapeレビュー

高倉大輔 個展 monodramatic/loose polyhedron

2016年10月01日号

会期:2016/09/02~2016/09/24

TEZUKAYAMA GALLERY[大阪府]

2014年に発表し、国内外で反響を巻き起こした「monodramatic」シリーズと、新作「loose polyhedron」シリーズを出品。前者はあるシチュエーションを1人のモデルが演じるもので、モデルが分身して画面中に散らばっているのが特徴だ。後者は作家と同世代の20~30代の若者を被写体とし、彼らの喜怒哀楽、多面性、抑圧された感情を、写真と五角形のチャートで表わしている。幸い作家が在廊していたので、作品の詳細を聞くことができた。高倉はアーティストであると同時に演劇人であり、作品に登場するモデルも俳優やパフォーマーが務めている。そして高倉自身が彼らに演出をつけると同時に、一人芝居の要素を含んでいる。つまり演劇的要素の濃い写真作品なのだ。また、本展では1点だけ壁一面に拡大した作品があった。これが非常に効果的で、今後の展示スタイルに影響を与えるかもしれない。関西初個展を成功裏に終えた高倉。次回の来阪が今から楽しみだ。

2016/09/09(金)(小吹隆文)

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