artscapeレビュー
プレビュー:クリウィムバアニー『dbdqpbdb』
2015年12月01日号
会期:2015/12/16~2015/12/20
nitehi works[神奈川県]
筆者がディレクターを務めるBONUS主催のイベント「第2回超連結クリエイション 牧神の午後編」も紹介したいところですが(ぜひ足をお運びください!)、我田引水はちょっと格好悪いので、今月の推薦はクリウィムバアニーの新作『dbdqpbdb』にします。
2014年の300分ぶっ通しのダンス作品『ニューーーューーューー』の記憶も鮮明な、菅尾なぎさ率いる女の子ばかりのグループは、女性が捉えた「女の子」のかわいさ、脆弱さ、ちょっとした怖さに特徴がある。日本は(いや世界も)女性の表現に関する関心がとても乏しいように思うのだけれど、女性はもっとも身近な「他者」なのだ。舞台芸術は男性原理でできている。女性の表現者を「不思議ちゃん」扱いして、結局ちゃんと扱わないという「遅れ」は、まずい。先述のBONUSイベントに出演してもらうQの市原佐都子もまさにそうなのだけれど、女性の表現の捕まえ難さ、得体の知れなさこそ、未来の先取りのような気がしてしようがないのだ。それにしても「貴方とクリウィムで創り上げてゆくゲーム体感型パフォーマンス」って? 今作も一筋縄ではないアイディアが施されているみたいだ。
2015/11/30(月)(木村覚)