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木魂を彫る─砂澤ビッキ展

2017年06月15日号

会期:2017/04/08~2017/06/18

神奈川県立近代美術館葉山[神奈川県]

最初の会場に入ると、中央に大きな木の固まりがドーンと立っている。《神の舌》と題する木彫だ。いわれればたしかに巨大な舌のようにも見える。ほかの作品も、仮面に見えたり虫に見えたり遊具や玩具みたいだったり、ちょっとユーモラスで素朴な木彫ばかり。それより素描のほうが気になった。初めのころの素描は彫刻のプランを描き止めただけのものが多く、わざわざ台座まで描いたりして、どうやら絵は得意ではなかったのかなと思ったが、あとのほうに出てくる《午前三時の玩具》などは力強い線描の連なりで、イマジネーションの広がりが感じられる。もっとスゴイのは裸婦デッサンで、ロダンのそれをしのぐほどエロっぽく、相当な助平だったのではないかと推察される。なぜ木彫で裸婦像を試みなかったんだろう。

2017/05/07(日)(村田真)

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