artscapeレビュー
カタログ&ブックス | 2022年12月15日号[近刊編]
2022年12月15日号
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
SHUZO AZUCHI GULLIVER 「Breath Amorphous:消息の将来」
2022年10月7日(金)~11月27日(日)まで、BankART KAIKOとBankART Stationにて開催されていた、シュウゾウ・アヅチ・ガリバーの展覧会「Breath Amorphous 消息の将来」のカタログ。
「かげ」の芸術家 ゲルハルト・リヒターの生政治的アート
思想史学者の田中純(東京大学大学院総合文化研究所教授)によるゲルハルト・リヒターの作品論4編を収録。リヒターの制作史で重要な3つのシリーズ《アトラス》《1977年10月18日》《ビルケナウ》をイメージ論の観点から考察しながら、リヒター作品を生政治的なアートとして紐解いていく。
吉村朗の眼 ─Eyes of Akira Yoshimura─
写真表現の革新を目指し、絶えざる前進を続けた吉村朗。馴化されず、媚を売らず、自らの道を突き進んだ、孤高の写真家の眼差しの軌跡と奇跡に刮目せよ!
建築家・石井修―安住への挑戦
地形の形状を最大限生かしながら住空間と緑の共生した建築を多く手掛けた住宅作家・石井修。 経年と共に建物は疲弊し、見た目が悪くなってしまうのが一般的だが、年月を掛けることで、自然と建物が一体となることを目指した設計手法は独特である。 今でこそ当たり前の屋上緑化やエコ住宅の考え方も、石井修の自邸「回帰草庵」など初期の作品から取り入れられている。 「建物に外観はいらないのです」という一言に、その建築への考え方が集約されている。 1986年度の建築学会賞を受賞した目神山の一連の住宅作品をはじめ、代表作・天と地の家など、美建・設計事務所を創設以来追い求めてきた建築の理想像-大胆なまでの樹木との調和・合体した住宅作品を収めた「別冊住宅建築No.34」以降、平成期の作品を設計年代順に一挙に収録する。
新宗教と巨大建築 増補新版
東大寺や法隆寺だけが美しい宗教建築ではない。著名建築家の作品だけが、先進的な現代建築ではない──。新宗教の巨大で絢爛たる建築が、なぜ信仰の堕落・虚偽の教えの象徴とされるのか。近代国家イデオロギー、天皇制、さらにマスコミが増長させた偏見によって、教団と建築は徹底して弾圧を受け続けた。建築批評の気鋭が読み解く、新宗教建築に投影された「日本近代」の夢と信仰の空間。大幅に増補された決定版。
THE NEW CREATOR ECONOMY[ニュー・クリエイター・エコノミー]
本書では、アーティスト、コレクター、キュレーター、リサーチャーなどさまざまな立場の視点を借りて、現在のNFTアートの状況を多面的に解説するとともに、現在へと繋がる歴史にも目を向ける。このグローバルなムーブメントは、連綿と続いてきたコンピュータアートの歴史だけでなく、既成のアートのあり方も書き換えるのか。アーティストはどのような態度で創造に臨むのか。加速するデジタルアートの可能性を追う一冊。
DOMANI・明日展 2022–23 百年まえから、百年あとへ
2022年11月19日(土)~2023年1月29日(日)まで、国立新美術館にて開催されている展覧会「DOMANI・明日展 2022–23」のカタログ。
飯沢耕太郎「完璧な小さな恋人」
写真評論を中心に活動してきた同氏の26年ぶりの詩画集。詩と自作を含むヴィジュアル(写真、ドローイング、コラージュなど)で構成。
合田佐和子 帰る途もつもりもない
合田佐和子(1940–2016)は高知に生まれ、1965年の個展デビュー以来、オブジェや絵画、写真といったメディアを横断しながら創作を展開しました。唐十郎や寺山修司とのコラボレーション、瀧口修造など美術評論家からの高い評価、またファッションや音楽など領域を超えたものたちとの親和性により、アングラが隆盛した時代の空気を体現するに至ります。しかし一転して90年代以降はその退廃的な作風を脱ぎ捨て、まばゆい光に満たされた、より内省的な世界を深めていきます。
青春20世紀美術講座 激動の世界史が生んだ冒険をめぐる15のレッスン
「20世紀美術」は、産業革命ののち、「近代」が定着するとともに露呈したさまざまな問題に直面する中生まれました。芸術家は、「青春」をかけて芸術と社会の問題に取り組み、苦闘の中から前例のない作品を生み出したのです。一方「近代化」の影響は、地球環境問題やコロナ禍などに直面する現代へつながり、人々を苦悩へと引き込みます。解くのが容易ではない山積みの問題を前にした現代の我々は、どうしたらよいのか? 本書では20世紀美術を生み出した芸術家達の苦闘の中にその問いへの答えを探り、現代を生き抜くためのヒントを見出します。
沖縄と琉球の建築|Timeless Landscapes 3
伝統的民家、およそ半世紀前につくられたリゾート建築の金字塔、そしてグスク(城)の遺構、樋川(湧水)、御嶽に見られる密やかな人為の跡、フクギの防風林など、その風土ならではの人工環境を「建築」と捉えた1冊。
潜在景色
石塚元太良、片山真理、下道基行、鈴木のぞみ、西野壮平、村越としや これからの写真界を牽引する30歳代から40歳代の実力派作家6名による展覧会の公式カタログ。 撮り下ろし新作を含む、メディア未発表作品を多数掲載。
アートプレイスとパブリック・リレーションズ 芸術支援から何を得るのか
デジタル化とコモディティ化が進む現代,アートの「場」から得られる知見や着想,地域や文脈とのつながり,そして真正性は,企業にとって有益なものである。アートプレイスの構築から企業が得られるものとは何か。取材と分析から得られた知見をもとに伝えていく。
金サジ写真集『物語』
写真家 金サジの代表作「物語」シリーズの写真集。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
2022/12/14(水)(artscape編集部)