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artscapeレビュー

大竹伸朗 展「ニューニュー」「憶速」「女根/めこん」

2013年08月01日号

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[香川県]

ニューニュー:2013/07/13~11/04(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
憶速:2013/07/17~2013/09/01(高松市美術館)
女根/めこん:2013/07/20~2013/09/01、2013/10/05~2013/11/04(女木島)

大竹伸朗の展覧会が、香川県の3カ所で同時開催されている。これだけ大規模な機会は「全景」展(2006年、東京都現代美術館)以来だ。3つの会場は以下のように性格分けされている。女木島の《女根/めこん》(画像)は「瀬戸内国際芸術祭2013」の出品物であり、すでに春から展示されている。しかし、その後も大竹が手を入れ続け、春とはすっかり異なる様相になってしまった。この作品は永遠に未完成と言っても差し支えなく、今後も変化し続けるであろう。丸亀の個展は2010年以降の作品を集めた近作・新作展で、2012年の「ドクメンタ」に出品した《モンシェリー:自画像としてのスクラップ小屋》や、1階エントランスの巨大なボーリングピンの立体《時憶/美唄》をはじめとする立体と、大量のドローイングやコラージュで構成されている。以上2展が大竹のいまと近年を表わしているのに対し、高松の「憶速」展は、大竹の過去を「記憶」と「速度」をキーワードに再編したものだ。出品数は534点。ジャンルやシリーズではなく、キーワードに準じて作品選定を行なっているのが興味深い。また、1977年から現在までのスケッチブック96冊を一挙に展示しており、非常に見応えがあった。今年は大竹が宇和島に移住して25周年にあたる。また、高松市美の開館、瀬戸大橋の開通も25周年であり、奇しき縁が大竹と香川を結びつけたと言えるだろう。3会場とも驚くべき密度とテンションに貫かれており、この夏見ておくべき展覧会である。

2013/07/18(金)(小吹隆文)

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