artscapeレビュー
フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活
2013年02月01日号
会期:2013/01/10~2013/03/10
兵庫県立美術館[兵庫県]
アルヴァ・アアルト、カイ・フランク、マリメッコなど北欧デザインの優品が集結し、トーヴェ・ヤンソンの『ムーミン』の原画が見られることで、人気を博するであろう本展。しかし、展覧会導入部で示される叙事詩『カレワラ』の重要性を知ることこそが、本展の核心ではなかろうか。19世紀末から20世紀初頭のフィンランド絵画に描かれた北国の風景、アルヴァ・アアルトの椅子で活用される合板技術、マリメッコのテキスタイルに描かれた花々、それらの根底には、必ずと言ってよいほど『カレワラ』に記された世界観が横たわっている。北欧デザイン=おしゃれ、ムーミン=かわいいで終わるのではなく、ひとりでも多くの人が『カレワラ』の重要性に気づくことを望む。
2013/01/09(水)(小吹隆文)
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