artscapeレビュー

吉岡佐知 展

2013年02月01日号

会期:2013/01/15~2013/01/20

ギャラリー恵風[京都府]

芭蕉や果実をモチーフにしたカラフルで様式的なスタイルで知られる吉岡の絵画。ところが本展では、まったく新たな試みが見られた。その試みとは墨絵で、これまでの彼女には見られない、ざっくりした大胆な筆致が特徴である。また、半分に折った紙に描いて半面は滲みだけで図像をつくるという、デカルコマニー的手法も用いられていた。綿密にコントロールされたこれまでの作風の真逆ともいえる新作は何を意味するのか。その答えは次回以降の個展を待たねばならないが、彼女が新たな領域に踏み込んだのは間違いない。

2013/01/15(火)(小吹隆文)

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