artscapeレビュー
approach200 1964-2012
2013年02月01日号
会期:2012/12/03~2013/01/31
ギャラリーA4[東京都]
1964年、東京オリンピックの年に発刊された竹中工務店の企業PR誌『approach』(季刊)は、2012年12月に200号を迎えた。アートディレクションは田中一光、写真家には石元泰博、編集には瀬底恒。編集やデザインを通じた人と人とのネットワークの形成。そして充実した執筆陣。そしてなによりも約50年にわたって継続して刊行されてきた事実は、他の企業誌の追随するところではない。毎号のテーマは自社の仕事の紹介にとどまらず、建築を取りまく社会環境や歴史、人物など、多岐にわたっている。展覧会ではこれまでに取り上げられてきた内容を「Design & Art」「Nature & Environment」「Life & Education」「History & Heritage」「For the future」「People」の六つに分類し、紹介している。会場は、図書室のようなしつらえ。中央には閲覧用の大きな机があり、その周りに杉板製の本棚が配置されている。本棚には、六つのテーマで分けられた『approach』と、テーマに関連する建築、デザイン、文化、社会、民俗、文学等々の書籍が多数収められており、すべて手にとって読める。コーヒーも販売されていて、ゆっくり過ごせる。『appproach』のコンセプトを物理的な空間に展開するならかくあるべし、ともいうべきすばらしい会場構成であった。[新川徳彦]
2012/01/28(月)(SYNK)