artscapeレビュー

溶ける魚 つづきの現実

2013年02月01日号

Gallery PARC、京都精華大学ギャラリーフロール[京都府]

会期:2013/01/10~01/20(Gallery PARC)、2013/01/10~01/26(京都精華大学ギャラリーフロール)

荒木由香里、衣川泰典、木村了子+安喜万佐子、高木智広、花岡伸宏、林勇気ら若手・中堅作家10名+1組による自主企画展。アンドレ・ブルトンの著作から引用した展覧会名は、シュルレアリスムが生まれた第一次世界大戦後と、東日本大震災後の日本の社会状況に共通性が感じられるという、出品作家たちの認識による。作品を見ると、シュルレアリスムから技法上の影響を受けていたり、モチーフに関連性が見受けられる者もいた。しかし、彼らはシュルレアリスムの再興を狙っているのではない。本展の主題は、シュルレアリストたちが無意識や夢などの領域を探究して新たな美を開拓したように、いまを生きる作家も今日の美を追求しよう、そのために自身の制作を再確認しようという、意志の提示なのだ。筆者が見る限り、彼らの目的は十分達せられたように思われる。

2013/01/12(土)(小吹隆文)

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