artscapeレビュー
島田洋平 写真展 SHIGOTOBA
2013年02月01日号
会期:2013/01/08~2013/02/03
Kobe 819 Gallery[兵庫県]
大工、自動車整備工、シェフ、落語家、紙芝居屋などさまざまな職業人を、その職場と共に撮影した作品14点を展示。作品テーマはアウグスト・ザンダーの《20世紀の人々》を連想させるが、島田の作風はまったく対照的だ。商業写真で鍛え上げたテクニックをフル活用しており、特に照明とレタッチの冴えは特筆に値する。明らかにストレート写真ではなく、むしろ映画などの特撮の領域に近いのではないかと思った。20世紀のザンダーと21世紀の島田、両者を写真の技術史的観点から比較したら面白そうだ。作品数が増えるほど魅力を増すシリーズなので、今後の作品拡充を期待している。
2013/01/19(土)(小吹隆文)