artscapeレビュー
松永真『ggg Books 別冊 9:松永真』
2013年02月01日号
赤い丸は《JAPAN ”燃え盛るか日本、燃え尽きるか日本。”》(JAGDA、2001)。黒い丸は《HIROSHIMA APPEALS 2007》(広島国際文化財団、JAGDA、2007)。シンプルにして力強いメッセージを放つ代表作を、さらにシンプルに表現した表紙が印象的である。本書はギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された松永真の展覧会「松永真ポスター100展」に合わせて出版されたテキスト集である。デザイン誌、新聞、講演録などから再録した松永真自身によるテキストのほか、亀倉雄策、田中一光、永井一正らによる批評が収録されている。内容は「ポスター」「ブック&エディトリアル」「パッケージ」「CI、マーク&ロゴタイプ/カレンダー」「西武美術館・セゾン美術館の仕事」「海外での個展・活動など」「フォラージュ」「フリークス」「書評/コラムなど」「年譜」で構成。伝説的なスコッティのパッケージデザイン・コンペの話はもちろん、個々のデザインの背後にある物語から、自らの人生、デザイン哲学にいたるまで、松永真の人と仕事を知るうえで欠かすことのできない文献である。[新川徳彦]
2013/01/28(月)(SYNK)