2021年09月15日号
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artscapeレビュー

プレビュー:岡田利規×ピッグアイロン・シアターカンパニー『ゼロコストハウス』

2013年02月01日号

会期:2013/02/11~2013/02/13

KAAT神奈川芸術劇場[神奈川県]

岡田利規が国際的に活躍するアメリカのパフォーマンス集団ピッグアイロン・シアターカンパニーと組んで上演するのが『ゼロコストハウス』。タイトルから推測できるように、この作品は坂口恭平の『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版、2010)をマテリアルにして、またヘンリー・デイヴィッド・ソロー『森の生活』も参照しながら、岡田自身の自伝的な内容を盛り込みつつ、東日本大震災以後の生活が語られていくのだという。2年近く前から(すなわち「3.11」以降)、演劇の分野でもダンスの分野でも「震災以後」を主題にした作品は多くつくられてきた。それらの多くはこの歴史的な出来事と十分に張り合っているようには見えず、たんに「流行現象に飛びついている」のかと思わざるをえないような作品も少なくなかった。先述の坂口と熊本で実際に交流を行なってきた岡田は、彼の直接の経験から一体なにを語るのか、その経験から彼がえた「変化」とは具体的にはどんな事態なのか、そしてなによりそうした自身の体験や考察の成果から演劇というフォーマットはどう揺るがされるのか、大いに期待したいところだ。

2013/02/01(金)(木村覚)

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