artscapeレビュー

JAGDAやさしいハンカチ展 Part 2

2013年02月01日号

会期:2013/01/15~2013/02/17

東京ミッドタウン・デザインハブ[東京都]

東日本大震災の復興支援のためのプロジェクトである。デザイナーたちが東北の小学校でワークショップを行ない、232名の子どもたちが絵を描いた。この絵を素材に、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の会員385名がハンカチをデザインする。デザインされたハンカチは絵を描いた子どもたちに贈られるとともに、全国を巡回する展覧会会場で1枚1,200円で販売され、販売収益もそれぞれの小学校に還元されるという。子どもたちの描いた絵も楽しいが、それがデザイナーたちによってどのように「料理」されたかを見るのもまた楽しい。会場では子どもたちの絵とハンカチが別々に展示されていたが、両者を並べて見せても面白かったのではないかと思う。昨年度のプロジェクトは純粋にデザイナーたちがデザインしたハンカチを販売し、売れたハンカチと同数を被災地の小学校にプレゼントするというものであった。今年度は子どもたちとともにつくるというバージョンアップ版。正直なところ、この企画がどれほど被災地復興に役立つのかはよくわからなかったが、そのようなきっかけがなければ存在しなかったプロジェクトであることは間違いない。記憶を風化させないという視点からすると、東北に限定せず、全国でワークショップを展開するのも良いかもしれない。[新川徳彦]

2012/01/19(土)(SYNK)

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